幼少期のスパンキングが行動問題と関連することを説明する研究。
Adversarial Childhood Experiences and Spanking Are Similarly Associated with Early Behavior Problems
DOI: https : //doi.org/10.1016/j.jpeds.2021.01.072
内容
幼少期の逆境体験(ACE)とスパンキングは、子どもの外向性行動を予測する上で関連性があることが示されました。この結果は、体罰をACEの一形態として考慮する必要性を支持するものであり、研究者らは、幼い子どもがACEや体罰にさらされているかどうかを評価し、リスクのある子どもに適切な介入を行う必要性を強調しています。
Vulnerable Families and Child Well-Being Study(脆弱な家族と子どもの幸福に関する研究)に参加した2380家族を対象に、前向きな縦断的分析を行った結果、幼少期の逆境体験と体罰が幼児期の行動問題のリスク要因となるかどうかを調査しました。また、対象となった母親は、5歳の時点で外向性および内向性の行動問題を報告しました。
3年後、共変量を調整した結果、ACE(β=0.028;P<0.001)とスパンキング(β=0.041;P<0.001)は、5歳時点での外向性行動問題増加の独自の危険因子として記述された。ACEとスパンキングの外向性行動との関連の大きさは、統計的に区別できず、ACEはスパンキングと外向性行動の関連を緩和しなかったとのことです。
これらのことから、しつけのために子どもを叱ることは、子どもにとって何の利益にもならないことが示唆されています。