なぜゴルフをすると腰痛になるのか?
Smith JA, Hawkins A, Grant-Butler M, Beutler R, Lee SP. Risk factors associated with low back pain in golfers: a systematic review and meta-analysis. Sports Health. 2018; 10(6): 538-546. doi: 10.1177 / 1941738118795425
ゴルフと腰痛の関係
日本人の現役プレーヤーが増え、老若男女を問わず根強い人気を誇るゴルフの話を耳にすることがあります。
ここでは、ゴルフと腰痛の関係を論じた研究論文をご紹介します。
ゴルフと腰痛
もともとの病歴などを無視すれば、現代のゴルフスイングには腰痛を引き起こすような動作をしています。また、写真は載せませんので文章だけで想像力を膨らませてください。
・バックスイングやダウンスイング時に胴体の軸が骨盤の軸から離れること。
・インパクト時と初期フォロースルー時の胴体の屈曲と軸方向の加速度
・フォロースルー時の胴体の過伸展
上記の動作は、競技中に腰痛を引き起こす可能性のある動作のリストです。
しかし、これらの動作だけでゴルフで腰痛になるかというと、一概にそうとは言えません。それほど単純な話ではないということです。
そして、プロの55%、アマチュアの35%までが腰痛に悩まされているという統計があることを知っておきましょう。
個々の要因
ここでは、ゴルフとは関係なく、腰痛の原因となる要因をご紹介します。
・体重増加
・年齢の上昇
・ゴルフバッグの持ち運び
・股関節の可動域が非対称であること
これらも腰痛の原因とされています。
紹介した研究論文では、さまざまな要因を考慮していますが、高齢、過体重、既往歴が腰痛と関連している可能性が高いとしています。また、身長と体重の関係など、体格についても考察されています。この点については、これまで詳しく調べられていませんでした。
結論
得られた情報から、体格、年齢、病歴の問題を取り除けば、ゴルフスイング特有の怪我の原因を調整することで、腰痛を回避できる可能性があると結論付けられますが、研究結果からは、体重などの問題を解決した方が良いと思われます。
他にも、骨盤と背骨の連動性や、体幹の筋力を調べた研究もありました。一貫した結論が出ていないので、なんとも言えない理論であることもわかりました。