暑くて乾燥しているときに、15分以上のウォーミングアップをしても意味がありません。
Frikha, M., Chaâri, N., Said, N.B. et al. Warm-up durations in a hot-dry climate affect thermoregulation, mean power-output and fatigue, but not peak power in specific soccer repeated-sprint ability. BMC Sports Sci Med Rehabil 12, 76 (2020). Available at: https://doi.org/10.1186/s13102-020-00221-9
内容
この研究は、体温調節、筋出力、疲労、サッカー中の暑くて乾燥した天候(~30°C、~18% RH)がウォーミングアップに与える影響について調査していました。
11人のアマチュアサッカー選手がクロスオーバー無作為化試験に参加し,3回のWU期間(MAVの70%)の後,異なる日にBangsbo反復スプリントテストを実施しました。
各セッションにおいて、ピークパワー(PP)、平均パワー(MP)、疲労指数(FI)を記録・分析するとともに、心拍数(HR)、鼓膜温度(T tym)、平均体温(MBT)、自覚的労作の評価(RPE)を測定していました。
結果
反復測定ANOVAでは、WU10およびWU20と比較して、WU15後にMPの改善が見られました。それにもかかわらず、すべてのWU期間後にPPに対する有意な効果は記録されなかったそうです。
RSAのFIは、WU15およびWU10と比較して、WU20後に増加していました。 RPE値はWU10期間に比べてWU15とWU20後に高い値を記録し、二元配置分散分析ではWU10に比べてWU15とWU20後にΔTtymとΔMBTの値が高いことが示されました。
結論として、ウォーミングアップを20分以上行っても筋出力の向上は見られず、平均的なパフォーマンスを得るためには10分以上行うことが望ましいが、時間の経過とともに疲労が増加することが分かりました。
これは気温30℃の環境での状況であるため、温度条件が違えば結果は異なると思われるが、日本の夏の環境はこれよりも気温が高いため、ウォーミングアップは慎重に行うべきとされています。