運動を勧められない理学療法士
Freene, N., Cools, S. & Bissett, B. Are we missing opportunities? Physiotherapy and physical activity promotion: a cross-sectional survey. BMC Sports Sci Med Rehabil 9, 19 (2017). Available at: https://doi.org/10.1186/s13102-017-0084-y
内容
医療において身体活動(PA)を促進する活動は、PAレベルを高めるために非常に重要となることが考えられています。理学療法士はこのPAを促進するのに適した立場にありますが、それが為されているのかを調査した研究がありました。この研究は、オーストラリア全土の理学療法士を対象としたものです。
オーストラリアのPASB(Physical Activity and Sedentary Behaviour)ガイドラインに関する知識と、プロモーションの頻度増加に関連する要因を調べるために、実践に関するオンライン調査を行いました。
参加者にはPASBガイドラインを述べてもらい、知識の測定には4要素のスコアリングシステムを用い、プロモーションの頻度に関連する要因を評価するために多変量ロジスティック回帰分析を行ったというものです。
結果
オーストラリアの理学療法士257名を対象に調査を行ったところ、PASBガイドラインを正確に述べることができたのは10%に過ぎず、54%が月に10人以上の患者にPAを推進していると回答しました。
男性は女性に比べて月に10人以上の患者にPAを推進する確率が約3倍高く、また、カウンセリングのスキルがなく、PAを推進しても患者の行動は変わらないと感じている人はPAを推進する確率がかなり低いということが示されました。
この結果はオーストラリアの理学療法士を対象としたオンライン調査から導き出されたものになりますので、他国や他場面でそのまま適応できるかは不明です。しかし、著者の経験上身体活動を推奨しない人に出会ったことはあります。
この研究のパーセンテージ通りとはなりませんが、物理療法などを信頼しきっている人もいることは事実です。