血漿中の多価不飽和脂肪酸と精神障害との関連を調査した研究。
Mongan, D., Healy, C., Jones, HJ, et al. Plasma polyunsaturated fatty acids and mental disorders in adolescence and early adulthood: cross-sectional and longitudinal associations in a general population cohort. Transl Psychiatry 11, 321 (2021). Available at: https://doi.org/10.1038/s41398-021-01425-4
解説
この研究では、多価不飽和脂肪酸(PUFA)と精神障害の発症との間に考えられる横断的および縦断的な関連性を調査していました。
Avon Longitudinal Study of Parents and Childrenの参加者にインタビューを行い、17歳と24歳の2つのサンプリング時期に血液サンプルを提供し、核磁気共鳴を用いて血漿中のPUFA測定値を評価していました。
標準化されたPUFA測定値と3つの精神障害を、年齢、性別、肥満度、喫煙を調整してロジスティック回帰で測定しました。
結果から、17歳の時点ではPUFA測定値と精神障害との横断的な関連性を示す証拠はほとんどなかったそうです。24歳の時点では、n-6:n-3比が精神病性障害、うつ病性障害、GADと正の関連性を示したのに対し、DHAは逆の関連性を示しました。
縦断的分析では、17歳時のDHAと24歳時の精神病性障害の発生との間に逆相関の証拠があり、うつ病性障害やGADではそのような証拠はほとんどなかったとのことです。
これらの分析から、17~24歳までの多価不飽和脂肪酸の測定値の変化と24歳時の精神病性障害の発生との間に関連性を示す証拠はほとんどなかったという結果になっています。