慢性疼痛の感じ方でわかる心理状態
Kato, F., Abe, T., Kanbara, K. et al. Pain threshold reflects psychological traits in patients with chronic pain: a cross-sectional study. BioPsychoSocial Med 11, 13 (2017). Available at: https://doi.org/10.1186/s13030-017-0098-4
内容
慢性的な痛みは、感覚の感度を高め、うつ病などの偏った心理的特徴の発現を誘発します。
これは、慢性疼痛患者の非損傷部位(末梢組織が正常な部位)における感覚関連閾値の変動は,中枢性感作に関連していると考えられています。この研究では,非損傷部位における疼痛耐性閾値(PTT)と慢性疼痛患者の心理的特徴との関係を分析し,慢性疼痛に関連する罹患率の評価におけるPTT測定の有用性を評価しました。
PTTは、電気刺激を伴う定量的感覚テスト(QST)を用いて非損傷部位で測定し、クラスター分析を用いて分類しました。負傷部位の痛みを主観的に評価するために、McGillPain Questionnaire(短文)を使用した。Minnesota Multiphasic Personality Inventory(MMPI)を用いて,患者の心理的特徴を評価しました。
結果として、PTTのクラスター分析に基づき,患者は高感度群とそれ以外の患者からなる群に分類されました。MMPIプロファイルの結果では、高感受性群には神経症的三徴パターンの患者が有意に多く、転換Vパターンの患者はいなかった。高感度群では、神経症性三徴パターンの患者が有意に多く、転換Vパターンの患者はいなかった。心気症尺度とヒステリー尺度のスコアも、高感受性群では他の群に比べて有意に低いことがわかりました。