めまい治療のための手技療法「Epley Manipulation」のエビデンス
Hilton MP, Pinder DK. Epley (canalith repositioning) technique for benign paroxysmal positional vertigo Cochrane Database of Systematic Reviews 2014, No. 12. Number: CD003162. doi: 10.1002 / 14651858.CD003162.pub3.
内容
良性発作性頭位めまい症の原因は、頭部外傷や耳の感染症が多いとされています。
この論文では、745人の被験者を対象とした11の研究をレビューしています。
Epleyマニピュレーションとシャムマニピュレーション、その他の粒子再配置操作(Semont、Brandt-Daroff、Gans)と対照群(無治療、投薬のみ、姿勢の制限)
にて実験していました。
被験者の年齢は18~90歳で、男女比は1:1.5でした。
エプリー操作と偽装操作
症状が改善した患者の割合は21%から56%に増加していました。よって、Eppley法で有意な改善が見られました。
その他の粒子再配置の操作では、めまいの緩和は報告されていません。
また、対照群については、Dix-Hallpikeテストで評価しました。これは、患者の頭の位置を特定の方向に回転させて眼振の有無を確認するテストです。
対照群とEppleyマヌーバを比較したところ、Eppleyマヌーバを支持する有意な結果が得られました。(OR 9.62、95%CI 6.0-15.42、8件の研究、507名の参加者) 重大な副作用の報告はありませんでしたが、手技に耐えられない患者もいたため、注意が必要とされています。
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