睡眠の質の低下と学業成績の低下の関連性
Wondie, T., Molla, A., Mulat, H. et al. Magnitude and correlates of sleep quality among undergraduate medical students in Ethiopia: a cross - sectional study. Sleep Science Practice 5, 7 (2021). Available at: https://doi.org/10.1186/s41606-021-00058-2
内容
睡眠の質の低下は、学生の学業成績に悪影響を及ぼします。平均睡眠時間、睡眠量、睡眠の質は、学生の学習能力、学業成績の低下、精神障害の素因となる対人関係の悪化と強く関連していることから、この研究では、エチオピアの医学生を対象に、睡眠の質の大きさと相関関係を評価することを目的とした。
エチオピアの医学部学生576名を対象に、施設ベースの横断研究を実施しました。
睡眠の質は、Pittsburgh Sleep Quality Index(PSQI)を用いて評価し、収集したデータはEpi-data version 3.1に入力し、SPSS version 20を用いて分析し、ロジスティック回帰を用いて学部医学生の睡眠の質の潜在的な決定要因を明らかにしていました。
P値が0.05未満の場合は統計的に有意であるとみなし、関連性の強さは調整済みオッズ比と95%CIで示していました。
結果として、医学部学生における睡眠の質の低下の有病率は62%であることがわかり、平均年齢は21.5歳で、53.8%が男性であった。
・うつ病(AOR = 1.92, 95% CI 1.16,3.19)
・社会的支援の欠如(AOR = 5.39,95%CI 2.33,2.49)
・ストレス(AOR = 2.04、95%CI 1.26,3.31)
・睡眠衛生状態の悪さ(AOR = 3.01,95%CI 1.75,5.18)
となり、p値<0.05で睡眠の質の低下との関連性も認められました。
その結果、成績平均値が1単位増加すると、睡眠の質の悪さが81.5%減少することがわかりました。(AOR = 0.185,95%CI 0.13,0.28)