妊娠中のインフルエンザワクチン接種が小児期の健康状態に及ぼす影響を調べた研究
Association between maternal influenza vaccination during pregnancy and health status in early childhood
Mehrabadi A, Dodds L, MacDonald NE, et al. Association between maternal influenza vaccination during pregnancy and health status in early childhood. JAMA. 2021;325(22):2285-2293. doi:10.1001/jama.2021.6778
解説
この集団ベースのコホート研究の結論は、平均3.6年の追跡期間において、妊娠中の母親のインフルエンザワクチン接種は、幼児期の有害な健康状態のリスク増加と有意に関連しなかったと説明しています。
この研究では、妊娠中の母親のインフルエンザワクチン接種と幼児期の健康状態との関連を評価することを目的としました。
28,255人の子ども(女性49%、妊娠37週以上で生まれた子ども92%)のうち、10,227人(36.2%)は、妊娠中に季節性インフルエンザのワクチンを接種した女性から生まれた。平均3.6年間の追跡調査の結果、母親のインフルエンザワクチン接種と小児喘息との間に有意な差は認められなかった(発生率、1000人年当たり3.0対2.5、差、1000人年当たり0.53[95%CI、-0.15~1.21]、調整後HR、1.22[95%CI、0.94~1.59 調整後HR、1.22[95%CI、0.94~1. 59])、新生物(0.32対0.26/1000人年、差0.06/1000人年[95%CI、-0.16]、調整後0.26HR、1.26[95%CI、0.57~2.78])、または感覚障害(0.80対0.97/1000人年、差-0.17/1000人年0.17[95%CI、-0.54~0.21]、調整後HR、0.82[95%CI、0.49~1.37])のいずれかでした。
今回の結果からインフルエンザワクチンの接種を中止する理由は見いだせないが、データは季節性インフルエンザワクチンに限定されており、他のワクチンでも同様の結果になるかどうかは不明であるため、結果の解釈には注意が必要であるとのことです。