注意欠陥多動性障害の子どもに対する身体活動の有効性:無作為化対照試験のメタ分析。
MVPA may serve as an alternative treatment for ADHD. New RCTs are needed to better understand the impact on frequency, intensity, type of MVPA intervention, and different effects on age groups.
https://doi.org/10.1177/10870547211017982
解説
このシステマティックレビューおよびメタアナリシスでは、小児および青年の注意欠陥多動性障害(ADHD)に対する定期的な中等度から活発な身体活動(MVPA)の有効性を無作為化比較試験(RCT)で評価しています。
その結果、MVPAはADHDの中核症状全体に中程度の効果があることがわかりました。( n = 11; g = -0.33; 95% CI [-0.63; -0.02]; p = 0.037)
ADHDに対するMVPA介入の効果を調査したRCTのみを対象とした初めてのメタアナリシスであり、方法論的な限界も説明されています。
まず、結果評価者の盲検化を報告したのは3件のみであった。次に、per-protocol analysisを行った研究と比較しているため影響が小さく、参加者が効果が劣ると感じて介入を中止したことが結果を歪めた可能性がある。また、ADHDの子どもや青年は、スポーツにおいて失格や攻撃性、感情的な反応を示す率が高いため、MVPAの介入の実施には独自の課題があると考えられます。
最後に、これらの結果を再現しようとする試みは、プロのトレーナーが実施した方が効果的であることも示されています。したがって、それなりのトレーニングを行い、様々なトレーニング内容を実践する必要があると説明されています。