死刑は殺人を抑制しない、との研究結果が発表されました。
Death Penalty Laws and Murder Rates: Evidence from Synthetic Controls
First published: September 13, 2021 https://doi.org/10.1111/jels.12291
内容
米国における死刑制度をめぐる公的な議論は、長い間、刑罰の推定的な抑止効果に焦点が当てられてきたように思われるが、多くの学者は、(1)死刑制度が実際に殺人を防止するかどうか、(2)防止する殺人の数はどれくらいか、を明らかしようとしてきたと主張しています。しかし、これらの努力には、かなり均質な方法論的手法が展開されていました。
この研究では、そのような伝統にとらわれず、死刑の抑止力を評価するために包括的なコントロールを用いています。
最近、死刑制度を廃止した7つの州と、同時に死刑制度を維持した29の州を用いて、この方法を適用しても、ある州に死刑法が存在するだけでは殺人を抑止するのに十分であるという証拠は見つからないことを示しています。この結果は、いくつかの代替仕様に対しても頑健であるとのことです。
見知らぬ人の殺人(理論的に抑止力の影響を受けやすい)を従属変数とした場合でも持続すると述べられています。