腰痛患者にオピオイドを処方する際の医師の対応には人種差がある。
Association of patient race and ethnicity with differences in opioid prescribing by primary care physicians for older adults with new low back pain.
LyDP. associations between patient race and ethnicity and differences in opioid prescribing by primary care physicians for older adults with new low back pain. JAMA Health Forum. 2021; 2(9): e212333. doi: 10.1001 / jamahealthforum.2021.2333
内容
この研究の目的は、2007年から2014年にかけて、高齢者の新たな腰痛に対するプライマリ・ケア医(PCP)によるオピオイド処方の違いと、患者の人種・民族との関連を検討することでした。
その結果、腰痛患者274,771人の研究対象者のうち、アジア・太平洋諸島出身者が6%、黒人が6%、ヒスパニックが8%、白人が81%で、63,494人の医師による治療を受けていました。これらを調整した分析では、白人患者の11.5%がオピオイドの処方を受けていました。しかし、同じ処方者でも、患者が黒人の場合は、オピオイドを処方する可能性が1.5ポイント低いことが示されました。
また、患者がアジア系または太平洋諸島系である場合には、オピオイドを処方する可能性が低く、患者がヒスパニック系である場合には、オピオイドを処方する可能性が1.0pp低くなりました。
また、同じ医師でも、人種的・民族的に少数派の患者にはNSAIDsを処方する傾向が強いこともわかりました。しかし、オピオイド薬を処方された白人患者は、その後の長期に渡ってオピオイドを使用する可能性が高いことも明らかになりました。この研究では、これを結果として提示していますが、人種間でこのような反応が見られる理由については不明とのことです。