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薬物療法の副作用は女性の方が経験しやすいそうです。

Monday, November 29, 2021

医療基礎知識

薬物動態の性差により、女性の方がより多くの副作用を経験します。

Gender differences in pharmacokinetics predict side effects in women


Zucker, I., Prendergast, BJ Gender differences in pharmacokinetics predict side effects in women. BIOL Gender Differences 11, 32 (2020). https://doi.org/10.1186/s13293-020-00308-5

内容

この研究では、薬物動態とPKの性差が、男女のADRの性差を予測するかどうかを調べることを目的としました。この研究が行われた背景には、投与される薬の用量の一部が男性を基準としており、臨床試験なども男性を基準としているため、女性では過剰投与と考えられる副作用の報告が多いことがあります。

今回の調査結果では、テストしたFDA承認薬のほとんどにおいて、血中濃度の上昇と排泄時間の延長が女性と強く関連していることがわかりました。評価対象となった86薬剤のうち、76薬剤は女性でPK値が上昇し、臨床的に特定可能なADRを有する59薬剤については、88%のケースで性差のあるPKがADRの方向性を予測していました。

また、女性に偏ったPK値を持つ薬剤の96%が、男性よりも女性の方がADRの発生率が高いと関連していましたが、男性に偏ったPKが男性に偏ったADRを予測したのは29%に過ぎませんでした。

この結果により

薬物動態の性差は、男性ではなく女性のADRを強く予測していることがわかりました。しかし、体重の性差では説明できないことがわかりました。このことから、女性と男性に同じ量の薬を処方するという一般的な慣習は、薬物動態の性差や体重の二型性を無視しており、女性を過剰投薬のリスクにさらし、女性に偏った副作用の原因となっていることが示唆されました。

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