人の知能指数には、環境要因よりも遺伝的要因の方が大きな影響を与えるようです。
Genetic and Environmental Contributions to IQ in Adoptive and Biological Families with 30-Year-Old Offspring
DOI:https://doi.org/10.1016/j.intell.2021.101579
内容
これまでの研究では、思春期や子供のIQスコアに対する家庭環境の影響について重要な知見が得られているが、養子が実家で暮らしていた時期をはるかに超えて追跡調査した研究はないとのこと。
この研究では、この共有環境がIQにどの程度持続的な影響を与えるかについて確信を深めるために、486組の実子および養子の家族からなるユニークなサンプルにおいて、成人期のIQに対する遺伝的および環境的な影響を推定することを目的としました。
参加者の家族は、子孫の平均年齢が15歳のときにIQの測定を受けたことがあり、20年後に2回目の評価を受けました。(M子孫の年齢=32歳)
これらの結果から、親のIQ、兄弟固有の共有環境、遺伝的環境の共分散の環境媒介効果に起因するIQの分散の割合は、0.01 [95% CI 0.00, 0.02]、0.04 [95% CI 0.00, 0.15]と推定されました。これらの因子が共同で成人期のIQ分散の8%を占め、その遺伝率は0.42 [95%CI 0.21, 0.64]と推定されています。
これらの結果は、成人期の知能には、他の系統的な変動要因よりも遺伝的な影響が大きいことを示すさらなる証拠となります。