就寝時に聴く音楽は睡眠の質を低下させるという研究結果が発表されました。
Music at bedtime, involuntary musical imagery, sleep
https://doi.org/10.1177/0956797621989724
解説
この研究では、就寝前に音楽を聴くと、睡眠の質が低下する可能性があるとしています。
そもそもこの研究は、多くの人が就寝前に音楽を聴いているという前提で、イヤーワーム、不随意音楽イメージに着目し、音楽を聴くことが睡眠に影響を与えるかどうかを調査することを目的としています。
研究1では、音楽をよく聴く人(N=199、平均年齢=35.9歳)が、就寝中のイヤーワームと睡眠の質との関連性を報告しました。
研究2(N = 50、平均年齢 = 21.2歳)では、就寝前に、通常はポピュラーソングであるインストゥルメンタル音楽のみを聴くように無作為に割り当てられ、インストゥルメンタル音楽は就寝中のイヤーワームの発生率を増加させ、睡眠ポリグラフで測定した睡眠の質を悪化させることがわかりました。
また、これらの研究は、イヤーワームの経験が起きている間にも発生しており、睡眠中でも脳は音楽を処理し続けていることを示唆しています。
研究3では、これらの結果を検証するために、睡眠依存性の記憶統合のマーカーである前頭葉の低速振動活動の有意な増加を示し、ある種の音楽は、自発的な記憶の再活性化プロセスによって永続する長期的なイヤーワームを誘発することで、夜間の睡眠を妨げる可能性があることを示しました。
この研究では、イヤーワームがどのくらいの時間発生するのか、就寝前のどのくらいの時間であれば影響を受けないのかについては詳しく述べられていませんが、就寝の5~10分前くらいに考えていることを紙に書き出すことでイヤーワームを減らすことができるとしています。