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フランスで行われたロックダウンによるSARS-CoV-2感染の発生率を調査した研究

Wednesday, April 7, 2021

感染症



ロックダウンと感染リスク 

この研究の目的は、ロックダウン期間中にSARS-CoV-2感染によって引き起こされたと思われる病気の発生率を推定し、関連する危険因子を特定することになります。

フランスの

一般集団の3つの成人コホートからの参加者が、COVID-19に関する調査に参加するよう招待されました。主な結果として、咳、発熱、呼吸困難、味覚消失および/または無嗅覚症の突然の発症として定義されるCOVID-19様症状(CLS)であり、3日以上続き、調査前の17日間に発生しました。関連する要因を特定するために、遅延エントリCoxモデルを使用しました。

結果として、

2020年4月2日~2020年5月12日までの間に、279,478人の参加者が招待され、116,903人がアンケートを検証し、106,848人が分析に含まれました。62,099人/月の追跡調査中に、335件のCLSが報告されました。

CLSの累積発生率は、封鎖の15日目で6.2%、45日目で8.8%となり、CLSのリスクは少なくとも1人の子供、または青年が住んでいたときに、人口10万人を超える都市に住む参加者は、SARS-CoV-2感染の有病率が高いフランスの地域でより高い年齢層でより低くなりました。

危険因子として、
・太りすぎや肥満の人
・慢性呼吸器疾患を持つ人
・不安やうつ病を持つ人
・糖尿病
・癌以外の慢性疾患のある人
が挙げられています。

結論として、一般的な集団の中での発症率に関しては、ロックダウン開始から2週間は高いままですが、徐々に減少する傾向となりました。

Carrat, F., Touvier, M., Severi, G. et al. Incidence and risk factors of COVID-19-like symptoms in the French general population during the lockdown period: a multi-cohort study. BMC Infect Dis 21, 169 (2021). https://doi.org/10.1186/s12879-021-05864-8


まとめ 

ロックダウン開始から45日目の累積発生率は7.7~10.2%の範囲となり、該当する症例は前症例のうちの60%程となっているデータが記述されている研究となりました。

参加者のうち、COVID-19様症状を持つ人の28%が医療機関を受診し、症状のある40%の人はロックダウンに従い外出を控える行動をとっていたようです。また、血清学的研究によれば加齢と共に感染リスクは減少しますが、発症した際の重症化のリスクは増加します。

また、感染源ルートのうち、子供1人や青年層を含む家族が形成されている環境が重要な感染拡大の役割を担っていることも懸念され、肥満の人は感受性が高いことが疑われています。

呼吸器疾患を持つ人や慢性疾患を持つ人の感染に対する感受性が高いことはわかることですが、不安や鬱症状がある人からもCOVID-19様症状が報告されやすいという発見もありました。

これは不安や鬱状態により、過剰に症状が報告されることが要因の1つであると考えられており、感染の急性期に精神障害の発症が報告されている例もあるが、この関係の逆因果関係を説明するには慎重になるべきであると説明されています。

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