幽霊会員のフィットネス離れ問題を見て感想
東洋経済オンラインから出された記事で、幽霊会員の「フィットネス離れ」が起こす大問題という記事を読んで思ったことを述べていきます。
これは、フィットネス業界とは関係のなさそうに思われる柔道整復師にも関係してくる部分があるため、これからフィットネスの部分とどうあるべきなのかを自分なりに考えてみます。
コロナ禍によるフィットネス離れ
新型コロナウイルス拡大危機に対して政府は緊急事態宣言を発令し、国民に不要不急の外出を求めました。それにより不安に思った人らは、不要不急の対象であった「フィットネス」の会員であることを辞める人が出てきたそうです。
元々、月額会員制を収入源として見なすビジネスは、こういった会員の入退会を想定し、施設や人件費などを設定して営むそうですが、この収入源の中で大事にされるのは「幽霊会員」であると聞きます。
昨今では、月額(サブスクリプション)を採用するビジネスが増えてきており、一度のサービスに対する対価ではなく、月額に一定額を支払うことで、決められた範囲でサービスを自由に受けられるといった権利を購入するモデルも増えてきました。
その幽霊会員は、利用回数が想定されているよりも少ないか、全くないが会員でいることを継続してくれている人らで、微々たる額面だから気にせず払い続ける人もいるようです。私には信じられないことですが、こういった感覚を持っている人がいてくれるため、サブスクリプションビジネスにおける対面サービスなどの成立があるため、フィットネスクラブなどもその内の1つであるようです。
そういった方々が新型コロナウイルスによる影響で、収入面に影響があり、支出を抑えるために退会している、といったことを問題としているようですが、これはもともと起こり得る問題でもあり、恐らくですが多くのフィットネス産業に携わる会社は月額会員以外にも収入源を作るために、対面販売やオンラインサービスを有料化したりと対策してきたかと思われます。
そういった状況が何故柔道整復師の業界に関係があるのか?について説明します。
整骨院内にあるサブスクリプション
フィットネス関連でよく見受けられるのは、整骨院内にフィットネス機器や空間を設備し、フィットネス業界の模倣をして、院内でトレーニングを提供するといった内容があります。他には、EMSなどに代表される機器類などによる月額制を取る場合や、回数券制によるサブスクリプションに近いモデルを採用しているところもあります。
委任された保険請求による診療だけでは売り上げが見込めなくなってきている業界なので、そういった診療を窓口に、月額会員か回数券などで売り上げを確保するといった動きが盛んになってきているのですが、元々やっていたビジネス元がそういった状況になっているのであれば、整骨院業界はそれらの模倣に過ぎない部分もあるため、余計に衰退していくのではないかと思われます。
中には、定期的に格安のマッサージついでに体を動かすことが出来れば良い、といった考えや、フィットネスクラブとは違い、少数人数しか利用しない整骨院なら安心と感じる人が継続したり新規に入会する可能性は無きにしもあらずですが、コロナ禍により外出や密になることに不安を抱いている人がそういったことをするのか?という疑問もあります。
そもそもなのですが、類似医療行為の一環でフィットネスを推奨していると思われますので、幽霊会員が生まれる時点で異変が起きているのではないかとも思われますので、整骨院内で幽霊会員によって売り上げが支えられるモデルが健全なのか?という疑問も生まれます。
これらの疑問から、これから周囲の好調ぶりに即発されフィットネススペースを確保しようとしても厳しいのではないのか?という懸念はあります。
実際に働いてみた感想
僅かな期間ですが、私自身がフィットネスとボディケアに関係する職を体験していた期間があるのですが、自分でやってみた感想としては、「発展性のないビジネス」と感じました。
フィットネスクラブなどにボディケアをする空間があることにより、何故発展性を感じなかったという理由は以下になります。
・月額会員制の域から出ない
→結局は月額会員費にオプションとして利用できるようになったとしても、ボディケア自体は人員が必要だし、一度に受け入れられるキャパシティーがクラブの受入数よりも圧倒的に少ないため、「待ち」が出来ることがマイナスとなる。そして、そのマイナスを回避する方法も人を増やすか、機械に頼るしか無かったため顧客満足度はいつでも下がるリスクがある。
・指名制をとっても頭打ちが決まっている
→オプションのマッサージとは別に、○○分で○○円といったような別料金によるボディケアプランもありましたが、時間による制約があるため、1人で稼げる1日の売り上げ額に条件があり、拡大しようとしても人を増員するか施設を拡張するしか売り上げを上げる手段しか無かったという部分に頭打ちを覚えました。
以上のことから、これらのモデルに拡張性を持たせるのであれば、自分が現場に立ってやるよりは、BtoBで繋げるしかないのだろう、と思って動こうとしてたところに今回の新型コロナウイルスによる影響があったので、このビジネスは亡き者にしました。
まとめ
整骨院業界がフィットネスに手を出そうとして、幽霊会員を作れるぐらいまで拡張できるのか?ということの疑問から、柔道整復師が考えるフィットネスとの在り方を考えてみました。私の結論としては、現況では礎作りとしてフォロワーを増やす作業を行うしかないと思いますが、昨今の動画配信サービスにも質の高い動画を製作している人も増えてきています。
それを見ながらやったら、別に月額会員として入会する必要あるのか?とも思われるので、フィットネス業界は上述の会社の記事にもあるように我慢比べが続くのだろうと思われます。
現況では正解を出せる人なんていないと思われますが、この状況でもやり続けている人が結果を出せば「正解」の例を作るということを考えれば、中途半端なフィットネスを提供せずに、スタッフ共にトレーニング技術や結果の出ている場所は今後があるのかもしれません。
ビジネスだけで、フィットネスを取り入れた中途半端な整骨院は衰退するしかないのかもしれません。