IQスコアとメンタルヘルス問題
インテリジェンスは、個人が意図的に行動し、合理的に考え、環境に効果的に対処するための総合的、またはグローバルな能力です。以前の研究によればIQ <70の知的障害のある人は、1つ、または複数の精神障害と診断されるリスクが高いことが示されています。これがIQが70から85の個人にも当てはまるかどうかを調査した研究がありました。
この研究では、
データは低出生体重の個人と対照群の縦断的追跡研究から抽出されたものとなり、本研究は、完全なIQスコアが70〜84として定義される境界IQの参加者のメンタルヘルスを、完全なIQスコアが85以上の参照グループのメンタルヘルスと比較しました。
19歳時での精神的健康は、精神障害の診断基準を満たすスコアが精神的健康問題を抱えていると定義され、現在、生涯の学齢期の子供のための情動障害と統合失調症のスケジュール（K-SADS P / L）を使用して評価されました。
さらに、参加者はADHD評価尺度と自閉症スペクトラム指数フォーム（AQ）に記入しました。ロジスティック回帰分析を使用して、K-SADSの高スコアの95％信頼区間（CI）でオッズ比（OR）を計算しましたものになります。
結果として、
境界IQと146のコントロールを持つ30人の参加者が含まれていました。境界IQの参加者の16（53％）は、参照グループの18（12％）と比較して、すべての診断でK-SADSの診断基準を満たしていました（OR：6.2; CI：2.6–14.9）。
特に、境界性IQの参加者は、ADHDと不安の過剰なリスクがありましたが、これらの関連性は、出生時体重と両親の社会経済的地位を調整するとわずかに弱まったという結果になりました。
結論として、
境界性IQの参加者の53％は、参照グループの約10人に1人と比較して、研究で評価された精神医学的診断のリスクが高く、境界IQを持つグループは、自閉症スペクトラム指数フォームに含まれるいくつかのサブスコアでより高い合計スコアとより高いスコアを持っていました。
この結果は、境界性の低い知能指数を持つ個人の精神疾患に対する脆弱性の増加を示しています。
Melby, L., Indredavik, M.S., Løhaugen, G. et al. Is there an association between full IQ score and mental health problems in young adults? A study with a convenience sample. BMC Psychol 8, 7 (2020). https://doi.org/10.1186/s40359-020-0372-2
まとめ
低IQを示す人は精神障害を患いやすいことは有名な話ですが、今回の研究では84以下の数値の人は精神障害のリスクが高いことが示された結果となっています。
精神障害の要因として、本人の神経生理学に基づく発達不良や障害などが考慮されることはありますが、本件は本人の問題というよりも環境の問題があることに注目されていました。
周囲からのいじめや、自尊心の低下、親の離婚などのイベントにより障害が発症するとされていますが、IQ値が関係なくとも何らかの障害が起きそうだなぁとも思います。しかし、本人の自尊心などで回避できる部分が欠損していれば患ったりすることが考えられますので、関わり合いの仕方を考えなければならないのでしょうね。
