公立病院と私立病院で働く医療従事者
組織的正義は社会制度における最初の美徳であり、これは人的資源に対する効果的な活用のための最も決定的な要因の1つであり、組織が成功すするための重要な予測因子です。
公平性を認識している従業員は、仕事に満足している可能性が高く、組織を離れる可能性は低くなります。一方で不正が認められると、労働者の職務遂行意欲が低下します。エチオピアでは医療機関の拡大と医療専門家の数の増加に重点を置いてきたため、人的資源の側面はほとんど強調されていません。
197人の医療従事者が
研究に参加し、データは自己申告式質問票と半構造化面接を通じて収集されました。定量的データは、MANOVA、重回帰、および独立したサンプルのt検定によって分析され、定性的データは、主題分析を通じて分析されました。
研究の結果は、
公立病院の医療従事者が、分配的、手続き的、対人的、情報的正義の認識が低いことを明らかにしました。同様に、私立病院の医療従事者は、分配的、手続き的公正についての認識が低かった。それどころか、私立病院の医療従事者は、対人的、情報的正義の側面と公平性について高い認識を持っていると報告しています。
公立病院と私立病院の両方の医療従事者は、高い離職意向を持っており、結果として私立病院と公立病院の医療従事者の間で組織の正義の認識に有意差があることが明らかになりました。組織正義寸法（分配手続き、対人および情報正義）は有意に代謝回転意思に追加9.9％の変動を寄与し、分配的正義は、離職意図の最も重要な予測因子でした。
分配的正義とは、
学ぶ知識と、それらによる得る報酬のことを指しています。
臨床経験が豊富な医療従事者らや、勉強熱心に技術などを習得している医療従事者に対してそれらの対価に見合った報酬が支払われていないということです。
この部分に不満を持つ人はすぐに辞めてしまう、ということだそうでｓ。
情報的正義とは、
院長などの立場のある人から発表された情報のことです。
情報的正義に不満を持つ場合は、その情報は明確でなく、適切でもなく、タイムリーでもないということになります。
現場で起きていることに対して、対処などの施策がすぐ様に成されずに、遅いタイミングで情報が公開されたりといったことになるようです。
対人正義とは、
上司の無礼な扱いする、しないということです。
監督者によるスタッフの扱いの偏りがあったりすると、異議を唱えたりされますが、受け手はそれほど深刻な問題とは見なさなかったりすることです。
Mengstie, M.M. Perceived organizational justice and turnover intention among hospital healthcare workers. BMC Psychol 8, 19 (2020). https://doi.org/10.1186/s40359-020-0387-8
まとめ
離職する、継続するタイミングなどは人それぞれですが何らかの出来事で転換したりするものです。今回のCOVID-19感染によるパニックでも多くの医療従事者がウンザリしたかと思われます。
この研究でいう「上司」は病院内に留まっていないケースもあったようで、日本の場合ですと保健所や厚生労働省などの人が管理する場合などはこういったことがあると医療従事者は辞めてしまいます。
医療にだけ言える内容ではないと思いますが、公的なものになればより強調される事柄なのかもしれません。
