皿の色で食事量が変わる
お皿の色は、食物摂取に対する環境の影響により、食物消費量を変えることが以前の研究で示されていましたが、さまざまな研究により、プレートの色の影響を一般化できないことが示されています。この研究の主な目的は、同じサイズの白、赤、黒の皿を使用した場合に、オープンビュッフェ式の食事中の食物消費が異なるかどうかを判断することにありました。
この研究は、
標準のBMI値の18〜30歳の54人の女性参加者を対象に実施されたクロスオーバー研究です。
参加者は、実験日の朝食は標準的な量を食べ、次に白、赤、黒のお皿を使用して自由に昼食を食べるようにランダムに割り当てられました。満腹感の結果に関する視覚的アナログ尺度(VAS)スコアをすべての食事について測定し、昼食時のエネルギーと主要栄養素の摂取量を記録しました。
結果として、
お皿の色が食物摂取に有意な影響を及ぼしました。(p = 0.021)
・赤色(1102.16±47.12 kcal、p = 0.05)
・黒色(1113.19±47.12 kcal、p = 0.034)
・白色(945.72±47.12 kcal)
といった結果になり、比較して赤、黒を選択した参加者らの食物摂取量は大幅に増加しました。全体として、満腹感の平均VASスコアはグループ間の有意差を示しませんでした。
Akyol, A., Ayaz, A., Inan-Eroglu, E. et al. Impact of three different plate colours on short-term satiety and energy intake: a randomized controlled trial. Nutr J 17, 46 (2018). https://doi.org/10.1186/s12937-018-0350-1
まとめ
研究では、ビュッフェ形式の食事会でそれぞれお皿の色を振り当てられ、満腹感と摂取カロリーの違いを観察されたもので、結果として白色のお皿の人は摂取カロリーが他よりも少ないという結果になっていました。
食事の内容としては、トマトソースのパスタとしか書かれていませんでしたが、こういった結果については、コントラスト効果によって説明がされていました。
断定的な話ではないのですが、料理に使われる皿とのコントラストが強いほど食事の摂取量が抑えられるのでは?といったことで、実験中ではプレッツェルだと青、白の皿だと上述の赤、黒と同じで、赤色の皿を使ったら白色の皿と同じような結果だと説明されています。
この関係性を証明するには、追加研究が必要とのことですが、研究では他に説明される理論がないとのことです。
後、お皿によって影響されるのは「フレーバー」といった要素で、食品と異なる色をしているお皿に盛り付けられればフレーバーを感じやすくなるといったことも述べられています。
関係性は十分に説明することは出来ないものですが、一般的にもやってみても害はないと思われます。
より味を感じたい時、摂取量を抑えたい時は食品と異なる色(相対色)で試してみてください。