椎間板切除術の費用対効果
椎間板切除術は最も一般的に行われる脊椎手術となります。この手術を採用されることに関する費用効用評価については研究されていなかったため、この経済的研究は入院治療と比較した場合の外来腰椎椎間板切除術の費用対効果を調査することを目的としたものとなります。
病院の視点を取り入れた
費用効用研究であり、医療費は、外来腰椎椎間板切除術を受けた20人の患者と入院腰椎椎間板切除術を受けた20人の患者の評価から取得されました。
質調整生存年は、Oswestry Disability Index値(ODI)から計算され、ODIは外来患者の術前評価、術後3か月および6か月の評価で前向きに評価されました。
入院患者のODIデータはメタアナリシスから推定され、確率的感度分析が実行され、増分費用対効果比(ICER)が計算されました。
結果として、
外来治療はテストしたすべてのモデルでコストを節約したことがわかりました。
3か月の評価で、ICERは€135,753~€345,755 / QALYの範囲であり、事前定義されたしきい値である€60,000 / QALYよりも高くなりました。
6か月費用に関しては、外来患者の費用が低く、ユーティリティが高く、入院患者の手順を圧倒することになっていました。確率的感度分析は、シミュレーションの65~73%で外来患者がより良い選択肢であることを示しました。外来患者による節約は入院患者の値の約55%であり、同様の効用スコアがありました。どちらのグループでも30日間の再入院は記録されませんでした。
結論として、椎間板切除術を採用することは費用対効果の面でも大幅に削減されることがわかったという最初の研究となりました。
Linhares, D., Fonseca, J.A., Ribeiro da Silva, M. et al. Cost effectiveness of outpatient lumbar discectomy. Cost Eff Resour Alloc 19, 19 (2021). https://doi.org/10.1186/s12962-021-00272-w
まとめ
この研究においては”費用対効果”に注目された結果となり、結論としては手術を採用した方が安く済んだというものでした。実際がこの結果通りになるのかはわかりませんが、治療を検討する上で選択肢の1つともなり得るため、保存的な治療が推奨されたとしても時間や費用のコストを考えると、ある程度のリスクを採用しても手術をしようという決断になることもあるかもしれません。
結果の通りの金額にならないため、実際に椎間板に関する治療を検討する際はコストの面も気にしてみても良いのかもしれません。