ブラジルで起きているハンセン病による身体障害
ハンセン病が、ブラジルなど流行国における身体障害の重要な原因であり続けており、これらのイベントの決定要因に関する知識は、影響を受ける個人への影響を軽減するためのより良い管理手段と的を絞った介入につながる可能性があります。
この研究では、ブラジルの人口の最も脆弱な部分の間でそのような要因を調査したものとなります。
大規模なコホート調査によって、
社会給付プログラムへの申請者の全国登録から作成された二次データから構築され、1億1,400万人を超える個人を含む2001年から2015年の期間をカバーしたものとなります。データは、2007年から2014年までのデータを利用してハンセン病通知システムにリンクされました。記述的および二変量解析は、クラスターロバストな標準誤差を伴う多項ロジスティック回帰モデルを使用した多変量解析につながります。アソシエーションは、それぞれの95%信頼区間でオッズ比として報告されました。
結果として、
2007~2014年の間の21,565人のハンセン病の症例が特定されました。
ほとんどの症例(63.1%)はグレード0の障害を持っており、グレード1と2は、それぞれ21%と6%を表しています。
グレード1、2の障害のオッズの増加に関連する要因は、
・15歳以上
・学校教育が少ない
・多細菌性患者
ということが挙げられました。
両方のグレードの保護因子は、女性であり、発生率の高い自治体に住んでいました。
Sanchez, M.N., Nery, J.S., Pescarini, J.M. et al. Physical disabilities caused by leprosy in 100 million cohort in Brazil. BMC Infect Dis 21, 290 (2021). https://doi.org/10.1186/s12879-021-05846-w
ハンセン病とは、
らい菌がおこす慢性の感染症となり、 皮膚、末梢神経が主に侵されますが、眼、鼻・のど・口などの粘膜、一部の内臓にも病変が生じる感染症です。
まとめ
このコホート研究によれば、感染症に対する公衆衛生の問題や社会経済的問題が起きている地域では、身体障害のグレードが高くなることがわかったというものになります。学校教育や感染症に対する知識や対策の施行など、様々な問題によって感染から起きる障害を防ぐヒントとして、若い人らを中心に早期診断を促すことが記述されていました。
この研究から感じるのは、これらの環境が整っているからこそ、不安に対してより脅威的になるのかと思う中、出来ることをやるしかないのに不安を煽る存在もやっかいだと思いました。