協会に所属しない
専門職協会（PA）というものは、所属する人らに職を斡旋し、メンバーを支援するためであるべきと認識されています。こういった利点があったとしても、オーストラリアのカイロプラクターの約3人に1人は属さないことを選択しています。
この研究には2つの目的があり、1）一般的なPAに関する非会員カイロプラクターの見解を調査すること。2）PAに参加しないことについての非会員のオーストラリアのカイロプラクターの動機を理解しようとする。
この定性的記述的研究は、
主題分析のための自由形式の質問を伴う詳細な半構造化面接を利用し、2020年1～4月まで実施されたものとなり、9人の参加者は新しい主題が明確になる前に面接されました。
参加者は、少なくとも3年間PAのメンバーではなかったカイロプラクターとして登録されていなければならなく、募集はFacebookの広告と雪だるま式のサンプリングを通じて行われました。
インタビューは転写され、NVivoの定性分析ソフトウェアにインポートされ、カイロプラクティックPAの非会員を取り巻く重要な概念を特定できるようになりました。
結果として、
内容から5つのテーマが特定されました。
1）変色した画像は、その職業が一般の人々や他の医療専門家の目には貧弱な立場にあることを示唆しています。
2）お金の価値がない、年会費はお金に見合う価値とは見なされていないと述べた。
3）一人で行く/私にとって何が含まれていますか？直接的な利益や実践に不可欠と思われるものは何もないことを示した。
4）保守的な実践者と証拠に基づく実践者の間の内部対立の一部であると見られたくないことを反映した2つの対立する派閥。
5）可視性の欠如、メンバーシップの利点を明確に示す目に見える存在または強力なコミュニケーションがないことを説明しました。
結論として、会員にならない人にとって、専門職協会は仕事などを斡旋してくれるかもしれないが、具体的な価値を感じないといった「利点」がないことを述べていました。
Innes, S.I., Cope, V. & Young, K.J. Factors influencing Australian chiropractors who choose not to join national professional associations: a qualitative study. Chiropr Man Therap 28, 58 (2020). https://doi.org/10.1186/s12998-020-00351-4
まとめ
この研究では、経験豊富なカイロプラクター9名に対し、アンケートにて専門職協会に入らない理由が述べられたといった内容のものになりました。結論にもありますが、協会に入ったところで意味がない、という一言に尽きるようで、これらの問題が解決されるならば協会はメンバーを増やせるのかもしれません。
そもそも専門職でコミュニティを形成するということは、一般的なコミュニティとは性格性が異なる部分もあれば、所属意識による職業への尊敬などを生む機会にもなるものかと思われます。しかし、カイロプラクターという立ち位置が不明瞭かつ、他の専門職に比較されると劣っているようにも思われるコミュニティは所属する意味を感じない、といった意見もこの研究では述べられていました。
実際にも、柔道整復師にも協会というものはありますが、正直に入る利点を一切感じないので入ったことがありませんが、入っている人に何故入ったのですか？と聞いてみたいものです。
政治的な、派閥的な、集団的な思惑が含まれることもあるのかもしれませんが、多くの○○協会というのは、自分たちのやりたいように慈善的な活動をし、自分らは貢献しているようにも見せていますが、実情として役に立っていないこともあります。
医師に医師会があるのは聞いたことがあるかもしれませんが、柔道整復師に柔道整復師会があるって知っていましたか？
