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ダイエット後の体重維持が難しいって話の研究

Monday, April 5, 2021

栄養精神科運動

 

減らした体重を維持する

減らした体重が元に戻るのは減量介入後の一般的な問題であり、肥満治療は体重減となる結果がほとんどですが、その後の体重を維持するための行動の変化を続けられる人は殆どいません。

現在の体重維持戦略を改善するには、どの患者が減量を成功裏に維持するか、または減量介入後に体重が回復するリスクがあるかを予測する要因を特定する必要があるため、この研究では、減量のためのグループ認知行動療法(CBT)を完了した太りすぎまたは肥満の女性による減量維持の成功に関連する要因を特定することを目的としていました。


肥満の女性、

90人を対象とした減量介入を完了し、治療終了後12ヶ月と24ヶ月で追跡調査を完了した86人のデータを分析したものとなります。うつ病、不安、過食症、食物依存症、摂食行動は、減量介入の前後で評価され、減量介入中に初期体重から10%減、24か月のフォローアップで減量を維持した参加者は成功したと定義づけされました。


結果として、

介入は27人の参加者で成功し、59人は失敗しました。多重ロジスティック回帰分析では、減量介入の成功に関連して、減量介入中の体重減少が大きくなり、脱抑制スコアが低くなり、減量介入終了時の食物依存症スコアが低くなることがわかりました。

結論として、体重維持できた人は食物依存などのスコアが低下していることと関連していることがわかりました。


介入の内容

栄養士、心理療法ができる専門の指導のもとで、
・食事の内容を日記にメモ
・1日の摂取カロリーを500kcal減らす
・1日8000~10000歩は歩いてもらう
・摂取する栄養の必要量とそれぞれの役割を理解してもらう
・エクササイズなどを行う場合は"自分の適切な運動レベル"に合わせてもらう

といった内容の認知行動療法で介入されていました。


Sawamoto, R., Nozaki, T., Nishihara, T. et al. Predictors of successful long-term weight loss maintenance: a two-year follow-up. BioPsychoSocial Med 11, 14 (2017). https://doi.org/10.1186/s13030-017-0099-3


まとめ 

結果としては、心理的側面が解決できた人はダイエット後も体重維持が出来るものとなっていました。脱抑制や食物依存症の解決と聞くと敷居を高く感じそうなものですが、上述にあったような認知行動療法のもとに行われた結果、少ない人数ですが体重が維持できた例となっています。

それぐらいダイエット後の体重維持が難しいということは、元から痩せている人や食べても太らない人からすれば理解できないかもしれませんし、ダイエットでやった行動を維持すればいいだけじゃんって言う人も同様です。維持が難しい人にとっては意思が弱いなどの問題ではなく、心理的な側面として自尊心が低い、注意欠陥/多動障害、感情調節不全といった障害があることも考えれば、このことが難しいことが少しは分かっていただけるかもしれません。

ダイエットを始める、維持するために努力する人らにとっては、何を食べれば痩せる、何をすれば痩せるということよりは、食する内容の理解を深めることが最初の1歩なのかもしれません。

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