KeiS a medical professional

This is a blog about the scientific basis of medicine. A judo therapist reads research papers for study and writes about them.

sponsorlink

ランニング中のエネルギー消費量を推定する精度の高い時計は?って研究

Thursday, April 8, 2021

運動



ランニングとスマートウォッチ

紹介する研究は、有酸素、無酸素ランニング中のエネルギー消費量を推定する際の3つの異なるスポーツウォッチの精度を評価する目的で行われました。

20人の訓練を受けた被験者が、

3つの商用スポーツウォッチ(Suunto Ambit2、Garmin Forerunner920XT、およびPolar V800)を着用しながら、さまざまな強度で走りました。エネルギー消費を評価するための基準尺度として、間接熱量測定法が使用され、有酸素、無酸素ランニングのガス交換値からエネルギー消費量を計算するために、さまざまな式が適用されました。

結果として、

エネルギー消費量の推定の精度は、テストしたすべての時計で強度に依存しており、有酸素運動中(4〜11 km / h)、平均絶対パーセント誤差値-25.16%〜+ 38.09%が観察され、Polar V800が最も正確に機能しました。Garmin Forerunner920XTは、最も遅いステージでエネルギー消費を大幅に過小評価しましたが、Suunto Ambit2は、最も遅い2つのステージでエネルギー消費を大幅に過大評価しました。

無酸素運動(14〜17 km / h)の間、3つの時計はすべて、エネルギー消費量を-21.62%から-49.30%と大幅に過小評価していました。したがって、嫌気性走行速度が増加するにつれて、エネルギー消費量を推定する際の誤差は体系的に増加しました。

結論として、有酸素運動の消費エネルギー量を適切に評価していた機種はPolar V800だったそうで、他の機種は過少、過大評価となっていたようです。そして無酸素運動についてはどの機種でも大きな測定誤差を示していたため、アルゴリズムの改善が必要であると結論付けられました。

Roos, L., Taube, W., Beeler, N. et al. Validity of sports watches when estimating energy expenditure during running. BMC Sports Sci Med Rehabil 9, 22 (2017). https://doi.org/10.1186/s13102-017-0089-6


まとめ 

結果としては、有酸素運動を適切に評価できる機種は、3機種のうち1つとなりましたが、無酸素運動のエネルギー消費量を適切に評価できるものはないというものになっていました。

よって研究によればアスリートなどで運動強度を適切に評価したい人にとっては、これらのデバイスは不十分であることがコメントされていましたので、目安が欲しい人にとっては使えるようなデバイスという位置づけということでした。この研究が公開されていたのは2017年の12月だったので、現在では精度の高いものが出ているかもしれません。

しかし、研究などで採用される測定法にも一長一短はあるようで、MAOD法は過小評価されるといった欠点もあるということなので、評価って本当に難しいものなのだなぁ、と思ってください。

そして、この研究では有酸素運動といってもランニングだけで行われたものなので、他の有酸素運動で同様になるとは限りません。最後に、該当する機種をAmazonで調べてみましたが、良いお値段していました。私は欲しくなりませんでした。

QooQ