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プラセボ効果が働いてしまう「臨床症状」とは?

Tuesday, April 27, 2021

医療基礎知識

 プラセボ治療のエビデンス


「プラセボ」というと、実験などで耳にする偽薬のことですが、プラセボ効果により多くの臨床症状で実質的に改善するといった報告もあります。このプラセボについて、多くの研究や参加者から得られた結果の結論として、「一部臨床症状はプラセボ効果で改善する、かもしれない」と述べられています。

少し詳しく、

・202件の研究から60の臨床症状を調査

・4つの臨床症状を調査した3件の研究では、プラセボ効果の有意たる結果はないとのこと。 
・痛み
・吐き気
・喫煙
・鬱病


別の研究ではこのような数値が出ています。
「痛み」SMD -0.28
「吐き気」SMD -0.25
「喘息」SMD-0.35
「恐怖症」SMD -0.63

しかし、疼痛は偏りが少ない研究で、良い変化もみられることがあった。

喫煙、認知症、うつ病、肥満、高血圧、不眠症、不安症を調査した研究では、プラセボ介入の統計的に有意な影響はないとのこと。

レビューアの結論


我々は、プラセボ介入が一般的に重要な臨床効果を持つことを発見しませんでした。しかしながら、プラセボの患者報告の効果と偏った報告とを区別することは困難であるが、特定の状況では、プラセボ介入が患者報告の結果、特に疼痛および悪心に影響を及ぼす可能性がある。偏りのリスクが低い試験でも、痛みに対する影響は無視できるものから臨床的に重要なものまで様々であった。プラセボの効果の変動は、試験の実施方法や患者への情報提供方法の変動によって部分的に説明されていました。

HróbjartssonA、GøtzschePC。すべての臨床症状に対するプラセボ介入。系統的レビューのコクランデータベース2010、第1号。番号:CD003974。DOI:10.1002 / 14651858.CD003974.pub3。 

まとめ

プラセボ効果は「痛み」「吐き気」といった症状に対しては、有意に働くこともあるかも?という結果になっています。

よって、痛みを解決する際はプラセボ効果によって解決している可能性もあることから、提供されたサービスがその疼痛に対してどのような作用で軽減しているのか?を根拠ある説明が出来ないものは、「プラセボ」効果であることも否定できないようです。

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