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足関節捻挫の治療は「外科的」「保存的」のどちらが優れてる?という研究

Tuesday, April 27, 2021

整形外科

足関節の捻挫の治療

多くの参加者と複数の試験をレビューした研究の結論によると、「足関節捻挫の最適たる治療法はない」と述べられています。

誤解無いように先に説明すると、足関節の捻挫によって「足首外側靭帯複合体」が損傷した際に処置される「外科的」「保存的」を比較した研究ではそう述べられています。

少し詳しく、

・20件の試験から、計2562人の成人男性が対象に
・しかし、すべての試験に方法論的な弱点がある
・4つの主要転帰として、傷害前のスポーツ復帰レベル、足首の捻挫の再発、主観的、機能的不安定性を評価項目とし、統計的有意差の所見変量効果モデルを使用

・外科的、保存的に治療されてもどちらかが有意という結果はないとのこと
※しかし、外科治療群だと回復期間が長く、足首のこわばりや可動性の障害、合併症の発生率が高いといった報告もある

レビューアの結論

足首の外側靭帯複合体の急性損傷に対する外科的および保存的治療の相対的有効性を決定するためのランダム化比較試験から得られる不十分な証拠がある。一次外科的修復と明確に定義された傷害に対する最も利用可能な保守的治療の質の高いランダム化比較試験が必要です。

Kerkhoffs GMMJ、Handoll HHG、de Bie R、Rowe BH、Struijs PAA。成人の足首外側靭帯複合体の急性損傷に対する外科的治療と保存的治療の比較 系統的レビューのコクランデータベース、2007年、第2号。番号:CD000380。DOI:10.1002 / 14651858.CD000380.pub2。 

まとめ

今回のような「急性外側足首靭帯損傷」で施される主な治療法は、

・石膏模型、または副木による固定
・早期動員、外部支持体(例えば足首装具)の使用を含む「機能的治療」
・外科的修復や再建術

といった内容が挙げられます。

外科的なのか保存でいくのかは、受傷した本人の好みや医療従事者の経験や好みなどから決定されがちですが、どちらが有意となるのかを比較した研究では、どちらが有意と言える結果ではないとのことです。

外科的治療にも保存的治療にもリスクはありますので、リスクを受け入れられる方を選択してください。

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