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関節が緩い人がセルフトレーニングした結果、って研究

Thursday, April 8, 2021

運動

 

過可動性とトレーニング

一般的とされている関節の過可動性は、いくつかの関節の過度の可動域が確認され定義されます。関節の過可動性自体は問題になりませんが、痛みやその他の症状に関連する場合、健康と機能に影響を与える可能性はあります。

理学療法による管理のエビデンスは疎らであり、筋力トレーニングが今後の介入の可能性でもあるかもしれません。全身性関節過可動性の女性の筋肉の特性と機能に対する12週間の筋力トレーニングの効果を評価した研究となります。

この単一の盲目化されたランダム化比較試験には、

一般化された関節の過可動性をもつ20〜40歳の女性が含まれており、参加者は週2回、または変更なしの12週間のレジスタンストレーニングにランダムに割り当てられました。

脚と体幹の筋肉に焦点を当てたレジスタンストレーニングが行われ、主な結果として筋力に注目し、筋肉の質量と密度、機能的活動、痛み、障害などの筋肉の特性にも注目されていました。さらに、トレーニングの順守と有害事象が記録されたものとなります。

結果として、

参加した51人の女性のうち、27人がトレーニングにランダム化され、24人が対照群にランダム化されました。

各グループで、11人の女性がブライトン基準を満たす関節過可動症候群を患っていましたが、トレーニンググループの24人とコントロールグループの21人が痛みについて言及されました。

膝の伸筋群の平均強度について、
トレーニンググループでは
・トレーニング前0.63(sd 0.16)N / bm→0.64(sd 0.17)N / bm

コントロールグループでは
・0.53(sd 0.14)N / bm→0.54( sd 0.15)N / bm

これと他のすべての結果測定値については、介入によるグループ間の有意差は見られず、多くの変数が高い標準偏差を示していました。トレーニングの順守は良好で、参加者の63%がセッションの80%以上を実行しましたが、トレーニング中に1つの有害事象が発生しましたが、これはトレーニングと明確に関連していませんでした。

結論として、セルフ筋力トレーニングによる変化は確認することが出来ませんでした。これは強度の低さやより個別化され、適切に指導できる環境を用意する必要があると思われるようです。


Luder, G., Aeberli, D., Mebes, C.M. et al. Effect of resistance training on muscle properties and function in women with generalized joint hypermobility: a single-blind pragmatic randomized controlled trial. BMC Sports Sci Med Rehabil 13, 10 (2021). https://doi.org/10.1186/s13102-021-00238-8


まとめ 

この研究では、セルフトレーニングによる筋力の増加が確認できなかった結果となっていました。他の研究では似たようなシチュエーションで改善したような結果もあったようですが、この研究では再現が出来なかったという内容です。

この研究での問題点としては、抵抗強度が足りない、ということを書いていましたが、参加者の多くは最大80%程の抵抗しか掛けていなかったということだそうですが、筋力を増加させたい場合は、少ない抵抗だと数を増やさないと中々最大筋力が増強する、ということは難しい話だと聞いています。

セルフトレーニングの弱点がそのまま表れている研究となりますので、ある意味肯定的過ぎる研究結果よりも、実践的な結果だと思いました。

前述した研究では、理学療法士が管理したようですがセルフでやっている限りは似たような結果になるのかもしれません。これを回避するとすれば、自宅で行うにしてもリモートで管理しながら行ったりすると変化は出る可能性はあるのかもしれません。

筋力を得たくて始めたが、挫折してしまった人は他者の目があった方が捗ることが示唆される内容とはなりましたが、理想としては症状などを把握し、プログラムしてくれる状況が望ましいと思われます。

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