クロノタイプと運動能力
運動能力に関連して睡眠の質を語る時、クロノタイプと睡眠時間は重要な要素となり、考慮しなければなりません。エリートアスリートのクロノタイプに応じて、睡眠の質とアスリートのパフォーマンスを調査した研究を紹介します。
340人のエリートアスリート
(男性= 261、女性= 79)が本研究のために採用され、すべての参加者は韓国語版の朝鮮語-夕方質問票(MEQ-K)によってクロノタイプをスクリーニングしていました。ピッツバーグ睡眠品質指数(PSQI)とウィンゲート嫌気性テスト(WAnT)は、スクリーニング後に測定されました。
結果として、
PSQIグローバルスコア、PSQI睡眠の質、PSQI入眠潜時、PSQI睡眠障害、PSQI日中機能障害はグループ間で有意差がありました。
WAnT平均電力(W)、平均電力(W / kg)、ピーク電力(W)、およびピーク電力(W / kg)は、グループ間で有意差がありました。
PSQIスコアとWAnT平均パワー(W)(r = − 0.256、p <0.01)、平均パワー(W / kg)(r = − 0.270、p <0.01)、ピークパワー(W)の間に負の相関係数が見つかりました。(r = − 0.220、p <0.01)、ピークパワー(W / kg)(r = − 0.248、p <0.01)。
結論として、クロノタイプが夜型の人と、睡眠の質が良くない人は、そうでない人らに比べ運動パフォーマンスが異なっている結果となり、夜型よりも朝方のクロノタイプの人の方が運動能力が優れているという結論となっています。
Lim, ST., Kim, DY., Kwon, HT. et al. Sleep quality and athletic performance according to chronotype. BMC Sports Sci Med Rehabil 13, 2 (2021). https://doi.org/10.1186/s13102-020-00228-2
まとめ
クロノタイプと睡眠の質に関する運動能力の比較としては、朝方に近い方が優れているという結論となっていました。そのため、夜型のクロノタイプの人は時間を調整したり、無理やり就寝時間を早めたりする努力が必要になってくる可能性があります。
しかし、研究では普段のライフスタイルや喫煙習慣、トレーニングスケジュールなどの要素は考慮されていないため、夜型=パフォーマンスが低いと早合点するのは安直すぎます。
ただし、クロノタイプの人が夜型の人は、活動のピークが遅い時間にくるため、朝から行われるトレーニングなどでパフォーマンスが十分に発揮できないことは想像が出来るため、そういったことが影響している可能性も含めトレーニングをスケジューリングしても面白いかもしれません。