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慢性腰痛に対する腸腰筋を狙った振動トレーニング

Thursday, April 8, 2021

運動

 

慢性腰痛と腸腰筋

治療介入としての全身振動(WBV)トレーニングは、慢性腰痛(CLBP)に対するアプローチの1つです。異なるWBVパラメータは、腰腹筋のパフォーマンスに異なる影響を及ぼす可能性があり、腰腹筋活動によるCLBP患者へのWBVトレーニングの影響を研究したものは少ないです。したがって、この研究は、WBVと運動およびそれらの相互作用がCLBP患者の腰腹筋活動にどのように影響するかを調査することを目的としたものです。

慢性腰痛のある外来患者のグループ

と対象に、多裂筋(MF)、脊柱起立筋(ES)、腹斜筋(AOE)、腹直筋(RA)の筋活動を表面筋電図で測定したのに対し、参加者は4つの異なる運動(シングルブリッジ、厚板、サイドステイ)を行いました。およびVクランチ)1回の実験セッションでの3つの全身振動状態および無振動状態中を比較したものです。


結果として、

全身振動のない同じ運動と比較して、全身振動を運動に加えると筋活動が増加しました。

・MF; WBV頻度(P  = 0.002、)と運動(P  <0.001)は、MFの二乗平均平方根に有意な影響を示しましたが、運動*頻度(P  = 0.044)も有意な交互作用効果をもたらしました。

・ES:WBV頻度(P  <0.001)、運動(P  <0.001)で有意差が検出され、運動と頻度(P  = 0.225)の交互作用効果は有意ではありませんでした。

・RA:WBV頻度(P  = 0.018)で有意差が検出され、運動の効果(P = 0.590)および運動*周波数相互作用(P  = 0.572)は有意ではありませんでした。

・AOE:WBV頻度(P  <0.001)で有意差が検出され、運動の効果(P  = 0.152)および運動*頻度の相互作用(P  = 0.380)は有意ではありませんでした。

結論として、全身運動により腸腰筋が活性化される可能性があることが示されたものとなりました。この研究では、腸腰筋を活性化させるために15Hzの周波数に合わせ、多裂筋と脊柱起立筋の厚板、腹直筋のVクランチ、腹斜筋のシングルブリッジで、というものが推奨されていました。

Dong, Y., Wang, H., Zhu, Y. et al. Effects of whole body vibration exercise on lumbar-abdominal muscles activation for patients with chronic low back pain. BMC Sports Sci Med Rehabil 12, 78 (2020). https://doi.org/10.1186/s13102-020-00226-4


まとめ 

慢性腰痛を持つ人に対する腸腰筋の活性化を狙ったトレーニング内容として、ヒントが得られる研究結果となりました。よく腸腰筋に焦点を絞ったトレーニングなどの内容もありますが、基本的にインナーマッスルに分類される腸腰筋を単独で鍛えることは難しいため、上述のような内容の大きな筋肉を活性化させることで、腸腰筋を活性化させることが叶うことが考えられます。

しかし、このトレーニング内容自体に問題はありませんが、研究では若い人が対象になっていたことや、慢性腰痛を持つ人に限定されている結果、さらに周波数に関しては15Hzと書かれていましたが、条件が異なる場合はこの数値で適しているのかはわからない、ということだそうです。

振動する機材は家にはありませんが、なるべく再現するとすれば安定性が多少悪い場所で行ったりすると多少は近づけるかもしれません。この結果を再現する場合は周波数が設定できる振動マシンで実践してみてください。

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