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アスリートが実感しているコンプレッションウェアの利点に関する研究

Thursday, April 8, 2021

運動

 

アスリートが使うコンプレッションウェア

下肢コンプレッションガーメント(CG)の利点に関する研究は、運動後の回復とパフォーマンスの改善への影響に焦点を当てているものが多いです。アスリートが実際にCGを使用する理由、CGを使用する頻度、およびCGを使用することによるメリットの認識についてはあまり知られていないため、この研究はどのアスリートがCGを使用するのか、なぜアスリートがCGを使用するのか、いつCGを着用するのか、怪我や怪我の予防の場合は、怪我のCGを使用するのかを調査することが目的となっています。

この横断的研究には、

下肢のCGを使用した512人のアスリートが参加し、アスリートは使用したCGの種類と、いつ、なぜ使用したかについてのアンケートに回答しました。

彼らのスポーツへの参加、過去および現在のスポーツ傷害、およびCGを使用することの認識された利点が報告されました。

結果として、

アスリートの88.1%は持久力競技者であり、11.9%は非持久力競技者でした。持久力と非持久力競技者は、それぞれプライマリスポーツとしてランニング(84.7%)と障害物競走(24.6%)を行っていることが報告されました。

最も使用されたCGは着圧ソックスで、(59.2%47.5%の人が再負傷を防ぐために使用し、14.5%の人はスポーツ傷害の症状を軽減するために使用していることがわかりました。

その他の目的として、一次予防(13.6%)、運動後の回復(14.3%)、スポーツパフォーマンスの改善(8.8%)、見栄えの良さ(0.2%)でした。

参加者のスポーツ傷害の有病率は、過去は84.2%、現在負傷している人は20.2%でした。最も一般的なスポーツ傷害は、脛と脹脛の傷害でした。CGを使う場面として、トレーニング中(56.8%)競技中(72.9%)に使用されており、再負傷を防ぐことを目的とした90%の人が、二次的な負傷の防止に貢献していることを報告しました。


Franke, T.P.C., Backx, F.J.G. & Huisstede, B.M.A. Lower extremity compression garments use by athletes: why, how often, and perceived benefit. BMC Sports Sci Med Rehabil 13, 31 (2021). https://doi.org/10.1186/s13102-020-00230-8


まとめ 

多くのアスリートが何らかのコンプレッションウェアを着用しており、それに対して着用していることの実感を持っていることが報告された研究となりました。

そもそもコンプレッションウェアの利点は?という人向けな説明として、運動中にウェアで圧迫することで、筋肉の振動を防ぎ、地面への衝撃を緩和する目的なのですが、これは因果関係の証明がされていない理論となっているようです。よってこの理屈では、傷害の予防になるということを証明出来ていないため、有力とされているのは次の説明となります。

コンプレッションウェアを着用していることで、血清CKCや乳酸値に違いがあり、圧迫していることによって血流が促されやすい、という生理学的な利点が説明できますが、これも理論的な内容となっているため、因果関係の証明にはなっていないようです。

しかし、研究の結果からも「実感」としては結果が出ているため、着用することの利点は説明されているため、理屈がないと嫌だ、という人以外は着用することに否定的にならなくとも良いと思われます。

この研究の制限としては、コンプレッションウェアが単一のメーカーから提供されているものであったため、他との比較や、報告されている圧力と実際が異なっている可能性などもあるため、他のメーカーで同じような結論が出るとは限らないということだそうです。

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