KeiS a medical professional

This is a blog about the scientific basis of medicine. A judo therapist reads research papers for study and writes about them.

sponsorlink

心理学的にみる数学に対する不安の原因

Saturday, April 10, 2021

心理学

 

数学の不安

数学に対する不安は、日常生活や学業の中で、数学のパフォーマンス能力、数字の操作、数学の問題の解決を妨げる緊張感や不安感として定義づけされます。研究の目的は、大学生の数学不安の促進要因と障壁を特定することになります。

この研究では、

スコーピングレビューの方法論が使用され、看護、関連医療文献の累積インデックス、Embase、Scopus、PsycInfo、Medline、Education Resources Information Centre、Google Scholar、灰色文献を含むデータベースの検索をし、数学の不安の概念に取り組み、数学の不安の障壁と促進要因を特定し、大学生で構成された研究集団を持ち、アラビア語または英語で書かれた記事が含まれていました。

10件の記事がこの研究に含まれ、数学の不安は、複数の国やセクターにわたる多くの分野に影響を与える問題と言われています。

含まれている論文から、性別、自己認識、数値能力、学習障害というテーマが浮かび上がってきました。性別が数学の不安に影響を与えるパターンは、国や分野によって異なります。生徒の数学の自己効力感と数学のパフォーマンスの間、数学の自己効力感、薬物計算の自己効力感、薬物計算のパフォーマンスの間には、有意な正の関係がありました。

結論として、

数学の不安は、複数の国やセクターにわたる多くの分野に影響を与える問題であり、数学に対する不安の発達は、性別によって影響を受ける可能性があります。

女性は男性よりも数学の不安になりやすく、数学の自信、数学の価値観、自己効力感は自己認識に関連しています。これらの概念を改善することは、数学の不安を克服し、パフォーマンスを改善することになる可能性があります。

Khasawneh, E., Gosling, C. & Williams, B. What impact does maths anxiety have on university students?. BMC Psychol 9, 37 (2021). https://doi.org/10.1186/s40359-021-00537-2


まとめ 

この研究では、数学に対する不安を抱きやすいのは女性の方が多いことについて述べられており、女性が多い理由については不明となります。考察としてありましたのは、過去からの社会が男性よりになっているため、数学が男性の領域であるといった認識に基づいている説が1つです。

次の理由として、数学に対する認識の違いとなりますが、自己認識が関係してきます。端的に数学によって得られる利益を理解しているのかどうか、ということが大きく関係し、数学によって何等かの報酬を得る経験をした人は数学に対する不安が無くなる傾向になります。

改めて聞かなくともそうなのですが、ポイントとして将来的に数学が何で役にたつのかを知っているのかどうか、ということも不安になるのかならないのかというポイントになるようです。

次に数値能力による理解度の違いで説明されており、もとより数値能力に対する対処能力が個人によって異なりますが、学校教育などで他人と比較されることにより、数学に対する劣等感から不安を覚えるということになるようです。

これは遺伝でしょ?と思うかもしれませんが、適切に数学のトレーニングを行ったり、計算器に頼ることを少なくして訓練することは出来るとありますが、数学に不安を持っている人は、数値能力が正の関係で低いと示されていました。

関連して、学習障害、失読症などにより数学の不安が増大することが記述されていましたが、これは障害に対応する介入から解決を望めるかもしれません。


といったことがこの研究で示されていましたので、数学に不安がある人は

・数学が何故、役に立つのかを理解する
・数学の訓練をする

といった行動を始め、不安を解消すれば数学に対する意識が変わるといった内容になります。

QooQ