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子供の太り過ぎと食物アレルギーの関係性の研究

Wednesday, April 7, 2021

アレルギー

 

太り過ぎとアレルギー

食物アレルギー(FA)は子供にも見られる病気であり、その有病率は先進国で増加しています。また、太り過ぎが子供の健康に与える影響も重要な社会問題となっていることから、太り過ぎと日本人の子供たちのFAの有病率との関連を調べた研究となります。

1772人の

日本人の子供たちからの自己記入式質問票を使用して得られたデータを分析したものとなります。国際肥満タスクフォースによって提案されたボディマス指数のカットオフポイントに従った体重グループを使用して、太りすぎな人とそうでない人の2つのグループを作成しました。

年齢の違いを調べるために、子供を4つの年齢グループ(3〜6歳、6〜9歳、9〜12歳、および12〜15歳)に分け、太りすぎとFAの関係を調べるために、単変量および多変量ロジスティックモデルを実行しました。

結果として、

FAの有病率は、6〜9歳および12〜15歳のグループで、男児の方が女児よりも、女児の方が男児よりも有意に高かった

FAの有病率については、12〜15歳のグループ内だと、太りすぎの女の子はそうでない子より有意に高く、男の子では有意差は見られませんでした。

女の子で年齢と喘息を調整した後でも、太りすぎはFAと有意に関連していることがわかりました。

結論として、太り過ぎている女児は食物アレルギーの有病率が高くなる傾向が示されましたが、太っていることと食物アレルギーの関係性を調査するためのさらなる研究が必要となります。

Hayashi, K., Tsujiguchi, H., Hori, D. et al. The association between overweight and prevalence of food allergy in Japanese children: a cross-sectional study. Environ Health Prev Med 26, 44 (2021). https://doi.org/10.1186/s12199-021-00960-2


まとめ 

研究により性差と年齢と食物アレルギーの関連性が示唆されることとなりました。性差と年齢については、女児は発育と共にエストロゲンが増加し、エストロゲンにより体液性免疫と抗体合成を促し、アンドロゲンとプロゲステロンは免疫と炎症を抑制するといった生理的反応から、こういった結果となったことが考えられています。

そして、肥満により血清IgE値が増加することが関係していることがわかっていますが、別の国で同様の研究が行われた際に因果関係が証明されることはなかったようです。

アレルギーに関しても自己申告制で行ったものの結果だったため、研究の仕方によっては肥満と食物アレルギーの因果関係がはっきりすると思われます。

証明はされていませんが、肥満になると健康面で不利なことの方が多いので、肥満にならないように管理していくべきかと思われます。

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