NIEHSの研究者と共同研究者は、米国中西部に住む女性を除いて、大気汚染と乳癌リスクとの関連を裏付ける証拠を見つけることができません。

発がん性物質と内分泌かく乱物質の複雑な混合物が含まれる大気汚染は、過去の研究で乳癌リスクと関連付けられてきましたが、以前の研究は主として白人女性で行われていたため、黒人の女性への影響を評価するために追加研究が行われました。これは黒人の女性は、より高いレベルの種類の汚染物質にさらされる可能性があり、治療に反応しない腫瘍サブタイプと診断される可能性が高くなることがあるからと説明されています。

黒人女性の健康調査に参加した41,317人の女性において、調査員はサイズが2.5マイクロメートル（PM2.5）、二酸化窒素（NO2）、オゾン（O3）未満の粒子状物質のより高い居住レベルがより高い乳がんと関連しているかどうかを評価しました。

研究者たちは、NO2、O3のリスクが高いという証拠を発見しませんでしたが、PM2.5が中西部に住む女性の乳がんのリスクが高いことに関連していることが観察できました。PM2.5は不均一であり、地理的に異なるため、中西部のPM2.5の組成が地域の産業排出量を反映している可能性があることを示唆しました。

これらの発見にて、地域の違いや個々の化合物が癌のリスクにどのように影響するかを理解する必要性を浮き彫りにしていることが説明できます。

Citation: White AJ, Gregoire AM, Niehoff NM, Bertrand KA, Palmer JR, Coogan PF, Bethea TN. 2020. Air pollution and breast cancer risk in the Black Women's Health Study. Environ Res 194:110651.