ギャンブル中毒を回避する方法
他人の代わりに決断する時は、自身のことに関する決定よりも合理的である場合が多くあります。この研究では、金銭的なギャンブルのタスクを使用して、意思決定におけるフレーミング効果が代理の意思決定において減少するかどうかを調査した内容となっています。
参加者は、
事前に決定された確実なオプションと、最初の賭け金の一部を獲得するという危険なギャンブルオプションの間で一連の選択を行わせ、トライアルはその最初の賭け金に対する利益または損失のいずれかとして提示されました。トライアルの半分では、参加者は自分でお金を稼ぐことを選択し、残りの半分では別の参加者のためにお金を稼ぎました。
フレーミング効果は、損失フレームでのリスク回避とゲインフレームでのリスク回避として測定されました。
結果として、
参加者が自分自身のためにお金を稼いだ試験と、他の人のためにお金を稼いだ試験の両方で、有意なフレーミング効果が観察されました。ただし、これらのフレーミング効果は、他の人のために決定を下すときに大幅に減少しました。したがって、意思決定者が決定の結果に影響されない場合の感情的な関与の減少は、それを完全に根絶することなくフレーミング効果を減少させるように思われます。
Ziegler, F.V., Tunney, R.J. Who’s been framed? Framing effects are reduced in financial gambles made for others. BMC Psychol 3, 9 (2015). https://doi.org/10.1186/s40359-015-0067-2
まとめ
他人の利益のため実行される賭け事には、感情的なバイアスが入りにくいため合理的な判断を下しやすいため、のめり込みにくいことが示された研究結果となります。賭け事においての"勝つ方法"という奇跡的な方法を提示しているわけではなく、"感情的に負けない方法"を示してくれている結果となるため、負けが過ぎて破産するまでギャンブルにのめり込むことが少なくなるようです。
ギャンブルは、流れがくる、いつか勝つ、確率論では、といった様々な論争で勝ち負けが予想されていますが、いざ勝負となってくるとそれらの"理論的な"部分よりも感情に身を委ねがちなものです。
それを自分自身の利益としてではなく、他人のために行うものになった場合は、感情的な側面が大幅に減少するため、理論的思考が働きやすくなるヒントとしてこのテクニックは活用出来ます。
ギャンブルにおける損失の繰り返し、ということに言及はされていますが、日常的な"損失"の繰り返しを減少させるため、心理的なテクニックとして代用してみたら面白いかもしれません。