倫理観とリーダーシップ
組織で発生したスキャンダラスな事件は、組織の倫理的風土を形成する上でのリーダーの役割を浮き彫りにしてきました。結果、さまざまな組織的/職業的文脈、気候にわたるいくつかの研究が調査され、倫理的リーダーシップが倫理的気候に積極的に関連していることが満場一致で証明されています。
ただし、教育の文脈で実施されたこれらの研究はめったにないため、倫理的リーダーシップと倫理的風土の間に関係するメカニズムは文献では扱われておらず、この論文は、教師間の倫理的リーダーシップと倫理的気候の関係における認識されたリーダーの誠実さの仲介的役割を調査した研究の結果を報告します。
データは、
倫理的リーダーシップ、認識されたリーダーの誠実さ、倫理的風土、および人口統計の測定値を使用して、3つの期間に336人の教師(男性105人および女性231人)から収集されました。
結果として、
OLS回帰ベースのパス分析の結果は、
1)倫理的リーダーシップは、知覚されるリーダーの完全性と正の関係がありました。
2)知覚されるリーダーの完全性は、倫理的気候と正の関係がありました。
3)倫理的リーダーシップは、倫理的気候と正の関係があることを示しました。
倫理的リーダーシップと倫理的風土の間の前向きな関係は、知覚されたリーダーの誠実さによって媒介されました。
結論として、教育現場におけるリーダーシップとして、その人の誠実さを基に倫理的な言論が出来ること、倫理的な規律を齎すことが示されました。
倫理とは、人として守り行うべき道、善悪・正邪の判断において普遍的な規律となるもの、道徳、モラルのことを指します。
Enwereuzor, I.K., Onyishi, I.E., Albi-Oparaocha, F.C. et al. Perceived leader integrity as a mediator between ethical leadership and ethical climate in a teaching context. BMC Psychol 8, 52 (2020). https://doi.org/10.1186/s40359-020-00420-6
まとめ
研究結果によれば、教育現場でリーダーシップをとれている人物に対して、誠実さが求められ、倫理に基づいた発言や規律を制定することが望ましいことが示されていました。
私個人の経験として、倫理を語れる教育者に出会ったことがなく、皆が自分の善悪に基づいて判断を下し、さも自分の決定は組織の決定であるかのように振舞っている烏滸がましい連中だらけでした。
研究にもありましたが、倫理的な規律が為されている職場には、倫理を遵守する人が集まってくるが、非倫理的な人間のもとには利害関係を望むものが集まり、倫理的な人は去るとのことでした。それらの結果、学校のイメージというものに繋がるため、リーダーシップが出来る人間がいるのかいないのかが重要であるとのこと。
よく学校のイメージを守るために生徒に校則を課し、イメージとはかけ離れた身だしなみや時間など、わけのわからないものにしか課されていないことが多くあります。
綺麗ごとだ!と抜かす人もいるかもしれませんが、利害関係でやってきた結果が今の現場や組織の問題として世にスキャンダルが出ているということも考えられます。
私たちは「倫理」を忘れてしまったのかもしれません。