KeiS a medical professional

This is a blog about the scientific basis of medicine. A judo therapist reads research papers for study and writes about them.

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医学を志す学生の性格特性

Sunday, April 11, 2021

心理学

 

医学部生と性格特性

獣医師、医師、薬剤師、歯科医などの医療従事者グループの自殺率の上昇とメンタルヘルスの低下の証拠を考慮して、これらの分野のキャリアを目指す学生への注目が高まっているようです。

これらの学生の大部分は、精神的不健康に対して脆弱になる性格特性を持っている可能性があるとしばしば提案されている事実もあります。よって獣医学、医学、薬局、歯科、法律の学部課程を修了している英国の学生のビッグファイブの人格特性、完璧主義、メンタルヘルスの関係を探求することを目的とした研究を紹介します。

研究は、

英国で獣医学、医学、歯科、薬局、法律を研究している計1744人の学生がオンラインアンケートに回答し、ビッグファイブの人格特性(NEO-FFI)、完璧主義(Frost Multidimensional Perfectionism Scale)、幸福(Warwick)、心理的苦痛(General Health Questionnaire-12)、うつ病(Beck Depression Inventory-II)、および自殺念慮と試み。に関するデータを収集しました。 

結果として、

獣医学生、医学生、歯学部の学生は法学部の学生よりもかなり好意的でしたが、獣医の学生は調査した5つのグループの中で最も完璧主義のスコアが低いことがわかりました。高レベルの神経症的性格と低い誠実性は、各学生集団における精神障害の増加を予測していました。

結論として、逸話として言われる性格特性の話に根拠性は一切ないということが示されました。


Lewis, E.G., Cardwell, J.M. The big five personality traits, perfectionism and their association with mental health among UK students on professional degree programmes. BMC Psychol 8, 54 (2020). https://doi.org/10.1186/s40359-020-00423-3


まとめ 

この研究では、メンタルヘルス問題に関連のある神経症的傾向が有意に高い、ということがない結果となっていたため、医療関連を志す人はどうのこうのと言われる逸話に対して否定される結果となっていました。

医療系の中で、医学、獣医学、法学の学生は歯科や薬学の学生よりも開放性の傾向が高いことがわかりましたが、開放性が高いことと鬱病の関連性が示唆されています。開放的な性格は想像力や知的好奇心、内面の感情や経験などから、他人への気配りを"し過ぎたり"することにより、既存の鬱病が長引きやすいことが示唆されています。

また、医学生の多くは外向性の特性が高いことに対して、薬学部生は低いということが結果として出ています。誠実性に関しては有意差がないということでしたが、一部の研究では看護科に通う学生は誠実性が低い傾向にあると結果の出たものもあったため、規律や組織といった良心的な特徴が医学生に高く出ていたことは不思議ではないということです。

変わり者が多い、という印象を持つ人もいるかもしれませんが、限定的ではあるもののこの研究結果ではメンタルヘルスなどに問題を抱えやすい人が医療を志しているわけではないようですので、仮にメンタルヘルスなどに異常をきたすとすれば職場に問題があるのかと思われます。


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