メタボと食生活
食事療法と心肺フィットネス(CRF)と主要な心血管危険因子との関連について、いくつかの研究が行われていますが、食事パターンとメタボリックシンドローム(MetS)、そのコンポーネントのCRFとの相互作用についての報告はありません。
MetSとその構成要素に関する主要な食事パターンとCRFの複合的な関連を調査することが紹介する研究の目的となります。
研究は、
イランのテヘランに住む270人の健康な成人を対象に実施されたものです。食事摂取量は、検証済みの食物摂取頻度質問票(FFQ)を使用して評価されました。CRFは、段階的な運動トレッドミルテストを使用して評価されました。社会経済的状況、人体測定法、生化学的パラメーター、血圧は標準的な方法に従って評価されました。食事パターンは、因子分析によって特定されました。
結果として、
分析で確認された食事パターン3種あり、
・健康食
(マメ科植物、野菜、家禽、果物と果物のジュース、ナッツ、魚、卵、低脂肪乳製品、オリーブ、オリーブオイルが多い)
・混合食
(未精製シリアル、植物油、マヨネーズ、高脂肪乳製品、漬物の大量摂取)
・西洋食
(精製シリアル、赤身または加工肉、ソフトドリンク、お菓子とデザート、お茶とコーヒー、塩味のスナック、フライドポテトを含む)
この3種でした。混合食パターンとメタボリックシンドロームの間に有意な正の関連が見られ、特定された食事パターンの三分位数と残りの結果との間に関係はありませんでした。
混合パターンへの順守が高く、CRFも高い人は、拡張期血圧の有意な低下を示し、MetSのオッズでは、食事パターンとCRFの間に有意な相互作用がないこともわかりました。
Shahinfar, H., Ghanbari, M., Jalilpiran, Y. et al. Interaction between major dietary patterns and cardiorespiratory fitness on metabolic syndrome in Iranian adults: a cross-sectional study. Nutr J 20, 36 (2021). https://doi.org/10.1186/s12937-021-00695-4
まとめ
メタボリックシンドロームと関連のある食事パターンが示された研究となりましたが、一見すると西洋食と書かれている食事を摂っている方が関係がありそうなものですが、結果としては混合食と書かれている群との有意性があるということが述べられています。
注意するべき点としては、書かれている食事パターンの内容は積極的に摂っているとされるものであり、メタボリックシンドロームと関係してくるのは「過剰な摂取」ということになります。
よって、健康食と呼ばれる群でも過剰に摂取していれば肥満との関係は出てくるものかと思いますが、他の食事パターンでは過剰な「菓子類、加工肉、精製穀物」の摂取でメタボリックシンドロームとの相関性が高くなることが示されています。
イランでの調査なので、すべてが当てはまるのか?というと疑問もあるでしょうし、これらの食事パターンのどれでも、有酸素運動を十分に行っているとメタボリックシンドロームとの相関性は低くなるため、工夫が必要にもなってきます。
仮に、1日の食事を3食コンビニで済ませていたり、外食で済ませている人らは混合食によった内容になりがちなので、注意が必要なのかもしれません。