KeiS a medical professional

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給料格差が止まらない柔道整復師業界

Thursday, April 22, 2021

質問返し

 給料格差のある柔道整復師業界

柔道整復師の皆さんは、何を基準に入社しましたか?給料、勤務時間、休日、将来性、治療範囲など様々な選定基準が考えられますが、柔道整復師って儲かる?みたいな質問がくることもあるので、柔道整復師の給料について話してみてしょう。

初任給の中央値

大手の求人サイトなどでは、検索範囲にもよりますが正社員で33万円前後、アルバイト・パートで1,100円が平均とはされ、この月額給与が中央値であると捉えられていますが、実際のところこんな金額なことはありません。

パートに関しては、1,000~となっている会社も多くなってきましたが、正社員の場合は20~となっている場合が殆どで、著者の住んでいる地域で最安は15~からとなっています。

手取りではなく、基本給でこの金額なので多くの人は安い金額を提示されるよりは、20~と書かれている求人をよく見ているのかと思われます。しかし、注意しなければならないのはこの情勢下のなか、施術の出来ない新卒を月額25~30を払うのかどうかを冷静になって考えてみてください。


この業界の収益の柱とされてきたのは、保険請求による収益と自由診療による収益と、物販などによる収益となっています。業界にいる人はよくご存じな、保険請求による収益が減少傾向にあるため、多くの会社は自由診療、物販といった収益で売り上げを出し続けるしかない状況になっています。

1日の来院数が50人、窓口負担金と保険請求分の平均単価が1,100円と設定した場合、1日の売り上げは55,000円となり、月にすれば24日稼働として132万円の月売り上げと仮に設定するとして、50人に対応するには少なくとも受付は1人、施術に3人ほど必要だったとしても人件費だけでかなりの負担になることが予想できます。

著者の住む地域では、50人の来院がある院は数に限りがあるので実際はもっと少ないことも考えれば、実費診療や物販売り上げに依存しなければ、人件費以外のコストを支払うことが厳しいと考えなければなりません。


そういった前提の業界で、初任給に25~の設定をする会社は、自費、物販販売が盛んに行われているか、有資格者が1,2人で後はパートなどといった状況を想定せねばならず、そういう環境では臨床経験のない人にとっては、満足する研修や指導などは望めない可能性があるということが考えられないでしょうか?

格差の広がる原因を考察

上述した理由で、単純に1人生産性が低いことから、それだけの給料を設定するには何等かの工夫がされていることが考えられます。

実際にあったのは、上にも述べた有資格者が1,2人で後は無資格者で人件費を削り、正社員を営業している日、時間すべてに出勤させ社員数を制限する、といったパターンと、整骨院での収益を向上させることは諦め、別の事業を併設し収益を出すといった例もありました。

別の事業であるあるなのは、介護業やフィットネス業といったものが代表的です。

こういった工夫により、1人あたりの負担は増えるが支払える給料は高く設定できるようで、転職者が絶えない状況にもなっているのが現状と聞きます。中には志折れ、別の業界に進む人も多くいます。

しかし、月額支給額を高額に設定しないところは、時間や臨床経験などが満足に出来るケースもあるようですので、何を犠牲に得るのかを選択せねばならない状況とはなっています。


よって、現状の収益モデルが維持されたままですと、この格差状況は変わらないことが考えられ、パンデミックなどによる閉院や倒産から就業先が減っていく業界であることが考えられます。

周囲の動向

あくまでも著者の周囲だけの動向になりますが、整骨院業界に見切りをつけた人が多く、介護職や一般企業に転職したり、一般企業だが医療関連のポジションとして働く人もいます。満足度の高い人は、出資者を見つけ、自分のやりたい形態の治療院を個人で展開する、といった経営をしている人もいます。


まとめ

月額給料の設定の考察や、経験、現状などを述べ、何を犠牲にして何を得るのか?という選択肢しかないといったことを述べました。求人票を見るときの1つのコツとして、投資のように就業したい会社のことを調べてみてください。実務、というよりは会社の決算などを確認することが、今後その会社が成長するのかどうかを判断するポイントにもなります。

しかし、この業界の多くの会社は決算情報などを公開していないところの方が多いため、実務的な部分で判断するしかありませんが、何だかんだいっても「口コミ」で決まることも多い狭い業界なので、悪評があるところや人の入れ替えが多い会社は、有資格者の間では有名です。

そういう友達を作ってみて、知っていることを引き出すのもおススメです。

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