脳神経科学と暗示
暗示は、心理的な手法によって応用され、顕在意識や潜在意識に働きかけることで起きるものですが、中には利己的な理由から悪用され、暗示=悪いものとして印象付けられている人もいるかもしれません。
多くの人は自分が他人からコントロールされることに嫌悪感を抱きますので、暗示を掛けられることが好きな人なんていないのでしょう。
脳の構造
先に述べた「顕在意識」は脳の前頭葉が関与しており、「潜在意識」は視床下部、扁桃体が関わる領域が関与しています。
所謂「洗脳」といわれるものは、顕在意識に働きかけるマインドコントロールとなり、手法は単純ですが、対象となった相手には大きな苦痛を与えてしまいます。
第一段階としては、
・食事を与えない
・水を飲ませない
・重労働を強いるなど肉体的に大きな苦痛
を与え、数日間に渡りこれらの経験が与えられると人は判断力を失っていきます。
長時間労働を強いられると「慣れる」感覚にも近いですね。
第二段階として、対象のヒトの人格を全否定するなどの暴言を浴びせることによって脳はパニック状態になります。その状態だと、前頭葉の働きは不十分となり、顕在意識が十分に働いていない状況になります。そのタイミングで、優しさをみせたりすることによって、ドーパミンが放出され、あたかも「救ってくれた人」と信じ、疑うこともなくなるのだそうです。
長時間労働の末に、多少の恩恵(缶ジュースなど)を配ることによって、この人は何ていい人なんだろう・・・と思い、尊敬する上司と思いこんでしまうアレと同じことでしょうか?
潜在意識に働きかける
潜在意識に対しては、今は禁止もされている「サブリミナル・パーセプション」という方法でマインドコントロールが為されます。有名なサブリミナル効果は、昔映画などで飲み物や食べ物を1コマ入れることで、購入を促していたアレです。
この方法は、顕在意識に働きかける方法とは違い、手の込んだ方法にも見られますが、霊感商法などを代表として、一般的にも用いられるぐらい簡単な方法で行うことが出来るようです。
例えばですが、「あなたの先祖は不幸な死に方をしたため、貴方は病気を患っている」など言われると、人の脳の顕在意識の部分でははっきりと否定しますが、潜在意識の方では視床下部や扁桃体が快・不快情報に照らし合わせ、不快な情報であればそれを回避するための注意が喚起されますが、それが不快であると捉われなければ霊感商法などが成立してしまうようです。
まとめ
この話は脳科学の理論をまとめたものですが、上述の例のような一般的にも起こっていることは実はマインドコントロールなのかもしれません。ここまでくると陰謀論などの話に近いようにも思えますが、実際には人の判断する基準なんてそんなものなんです。
極限の疲労状態に差し伸べられる優しい手・言葉、警戒はするが「不快」と捉えることが出来なければ、信じてしまう可能性。
医療関係に転職して、前職よりも圧倒的に感謝されやすかったりするのは、辛い時に優しさを見せるから?とかも思ったりしましたが、上述の条件とは異なるので違う話なのでしょう。