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深部静脈血栓症を着圧ソックスで予防?最新のランダム比較化試験の結果

Sunday, April 25, 2021

医療基礎知識



 深部静脈血栓症を予防する

ここ数年で着圧ソックスが深部静脈血栓症や、移動貨物などに搭乗することによる循環障害のリスクを軽減するかどうかへの関心が高まっています。この研究では、航空機内におけるソックスの着用がどうなのかを調査していました。着圧ソックスは航空機の乗船中に、手術後にベッドに横たわっている患者に効果的であることが知られています。

特に足首に軽めの圧をかけることで、血液の流れを助けます。そして、脚の動きと組み合わされた圧力は、表在静脈の血液が深部静脈に移動して心臓に還るのを助けます。


研究は、

12件の試験(2918人の参加者)が含まれ、追加で9件の試験のデータから2637人の参加者(2020年4月現在)と組み合わせレビューされています。

これらの参加者のほぼ半数は、5時間は続くフライトでストッキングを着用するようにランダムに割り当てられ、残りの半数はストッキングを着用しませんでした。


深部静脈血栓症の症状(ゆっくりと脚の痛み、腫れ、体温の上昇)を発症した乗客はおらず、肺塞栓症や死亡例は報告されていません。

搭乗者は、フライト後に評価され、無自覚であっても適切に評価されるように設計された評価基準と検査となっています。


結果として、

着圧ソックスを着用した乗客と着用しない乗客と比較して、着圧ストッキングを着用するように割り当てられた乗客の「無症候性DVT」が大幅に減少しました。2つのグループ間の無症候性DVTの違いは、リスクを乗客数:十人/1,000人数十人 → 2,3人/1,000人に減らすことに相当したようです。


着用した人は、着用しなかった人よりも足の浮腫も少なく、表在静脈血栓症を発症した例も少なかったとのことです。これらの結果は、すべての試験でソックスの着用に関する問題の可能性が報告されたわけではありませんが、報告された試験では研究者はソックスは問題なく忍容性が高いと述べました。


Clarke  MJ, Broderick  C, Hopewell  S, Juszczak  E, Eisinga  A. Compression stockings for preventing deep vein thrombosis in airline passengers. Cochrane Database of Systematic Reviews 2021, Issue 4. Art. No.: CD004002. DOI: 10.1002/14651858.CD004002.pub4.


まとめ 

このエビデンスの質として、高いとされる証拠は「深部静脈血栓症のリスクが減る」ということであり、中程度の質として「表在静脈血栓症のリスクが減る」ことでした。質は低いのですが浮腫みが減るといったこともありましたが、測定方法にバラツキがあり確実性のある証拠ではないとのことです。

しかし、上述のように評価されていますが、実際に実験の中で肺塞栓症などの症例が無かったため、完全に予防できるものではない、という認識をしなければならないということです。

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