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騒音性難聴になりやすいのは「男性」という研究結果

Friday, April 23, 2021

耳鼻咽喉



 騒音性難聴の性差

騒音性難聴(NIHL)の性差を調査した研究はほとんどなく、以前の研究の性差は不十分な女性データをもたらしましたが、聴覚生理学には有意な性差が存在します。この研究では、NIHLの特徴における性差を調査して性別特有の危険因子、予防戦略、NIHLの治療に関する洞察を提供することを目的としています。

この横断的研究には、

中国の2280人の産業騒音にさらされた造船所労働者が含まれていました。累積騒音暴露(CNE)を計算するために個々の騒音暴露レベルが測定され、防音ブースで経験豊富な技術者によって聴力検査が実施されました。低周波(LFHL)と高周波難聴(HFHL)の性差と影響因子は、年齢とCNEによって層別化されたロジスティック回帰モデルを使用して分析されました。

結果は、

同等の騒音曝露レベルと年齢で、HFHLの有病率は女性(13.8%)よりも男性(34.4%)で有意に高く、男性はその後HFHLの有病率が高いことがわかりました。

性差は一定であり、30〜40歳の被験者と80〜95 dB(A)のCNEの被験者の間で非常に顕著でした。アルコール摂取は、女性のHFHLの危険因子である可能性があります。

結論として、騒音に対する同等の条件下でも騒音性難聴のリスクは男性の方が高いということが示唆されるものとなりました。

Wang, Q., Wang, X., Yang, L. et al. Sex differences in noise-induced hearing loss: a cross-sectional study in China. Biol Sex Differ 12, 24 (2021). https://doi.org/10.1186/s13293-021-00369-0


まとめ 

同等の条件下でも男性の方が騒音性難聴のリスクが高いことが示されましたが、女性は飲酒の習慣があると騒音性難聴の危険因子ともされていますので、注意は必要とのことです。

性差に関しては、説明されているものとして、高周波に対する許容性が女性の方が高いことが1つ説明されており、動物実験ではエストロゲンと蝸牛の働きの関係性から、性ホルモンではないか?ということも言われていますが、動物実験によるものなので人で共通するとは言い切れません。

普段通りの生活を送り、就業していると難聴になっているかどうかを把握することが困難な場合もあるため、定期的な検査が推奨されていた研究となりました。

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