男性よりも女性の方がマルチタスクに優れている
女性は男性よりもマルチタスクに優れている、という一般的な通念があるようなのですが、このことに対する科学的研究は事実上ないようです。この研究では、女性が男性よりも優れたマルチタスクスキルを持っているかどうかをテストしたものになります。
実験1では、
コンピューターベースのタスク切り替えパラダイムで120人の女性と120人の男性のパフォーマンスを比較しました。実験2では、「紙と鉛筆」のマルチタスクテストで47人の女性と47人の男性の異なるグループを比較しました。
結果として、
実験1では、2つのタスクが別々に実行された場合よりも、2つのタスクが急速にインターリーブされた場合の方が、男性と女性の両方のパフォーマンスが遅くなりました。この遅くなったことについては、男性の方が有意に大きい結果となります。実験2では、単純な算術問題の解決、地図上のレストランの検索、電話での一般的な知識の質問への回答において、男性と女性に大きな違いはありませんでしたが、女性は探し物を見つけやすいという結果もありました。
結論として、
マルチタスクパラダイムにおいて女性が男性よりも優れていますが、マルチタスクでの性差に関する実証的研究がほとんどないため、これを事実として取り入れるには注意が必要です。
Stoet, G., O’Connor, D.B., Conner, M. et al. Are women better than men at multi-tasking?. BMC Psychol 1, 18 (2013). https://doi.org/10.1186/2050-7283-1-18
まとめ
マルチタスクにおいて、女性の方が得意なのかも?という内容の研究結果となっています。一般的に電話をしながら掃除機かけて、料理が出来るのが女性だ、という話もありますが必ずしもそうでないということです。
そういった先入観を持って人に接しない方が良いのかもしれない、という至極当たり前なことを教えてくれる内容となっています。
物事を適切に行いたければシングルタスクの方が良い、ということは他の研究で散々言われていることなので、集中力して何かをする人はマルチタスクは避けましょう。