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This is a blog about the scientific basis of medicine. A judo therapist reads research papers for study and writes about them.

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高齢者の考えと終末期ケアの経験を調査した研究

Tuesday, April 20, 2021

社会



 高齢者と終末期のケア

ナーシングホームに住む高齢者が、自分の最後をどのように認識するかに焦点を当てた研究はほとんどないようです。さらに、高齢者の死と、死の認識に関するこれまでの研究は限られているため、人生の最後に彼らの経験を探求する緊急の必要性があることから行われた研究です。

この研究では、

スウェーデンのナーシングホームに住む36人の高齢者へ、個別インタビューを含む定性的アプローチを採用しました。
生活の質に関する質問として、
・身体の健康
・死
・未来についての考え
・生活環境や生活環境に関する経験
ということをヒアリングし、インタビューのトランスクリプトは、内容分析を通じて分析されました。この研究は、地域倫理審査委員会によって承認されているようです。


結果として、

3つの主要なテーマカテゴリが特定されました

「避けられない未知の終末」コントロールについての考え」ナーシングホームでの最後の人生の生活」

高齢者は死そのものを恐れていませんでしたが、死ぬことを心配はしていました。ナーシングホームで人生の最後を過ごすことは、高齢者の間で異なる考えや感情に貢献しました。いくつかの例外を除いて、高齢者はナーシングホームでの生活を退屈であると特徴づけ、そこに属していない人々に囲まれていると感じました。

結論として、高齢者と人生の終末について話し合う必要があるとされており、また認知症の人と、健康な人が共生している場合は、健康な人へ悪影響を与えていることや、認知症の人に対するニーズや考え方、望まれる会話などを提供することが生活の質を保つためにも好ましいとされています。

Tjernberg, J., Bökberg, C. Older persons’ thoughts about death and dying and their experiences of care in end-of-life: a qualitative study. BMC Nurs 19, 123 (2020). https://doi.org/10.1186/s12912-020-00514-x


まとめ 

この研究の結果として、高齢者が心配に思っていることが「長く続く痛みにより死に至る」ということがわかりました。死は避けられないものとして認識はしているが、望ましいのは痛みがなく死に至るか、苦しいが早く死に至るといった苦しむ時間に関する望みが多く聞かれるものとなったようです。

研究内では、高齢者が自分の葬儀やその後の手続きなど準備している人もいれば、そうでない人もいたということでしたが、これは準備をすることで終末を迎える不安などを増長させないため、そういった準備をしないといったことが潜在的にあると述べられていました。

さらに、このような状況は誰にでも起こり得るものですが、看護する側も、される側も満足をしていくためには、終末の話を互いにし、好みや願望などを聞き出し共有していくことが望ましいことであるとも述べられています。


私自身は柔道整復師と資格柄、外傷を担当することはあってもこの研究のような状況の方々を担当することは殆どないため、凄く難度の高い仕事のようにも感じました。

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