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乳癌の予防を目的とした薬物療法の比較研究

Tuesday, April 27, 2021


 乳癌を予防するための薬物療法

2018年に発表された研究の結論だと、平均以上の乳がんの発症リスクを持つ女性にとって、癌予防薬(CPA)で発生率を減らすことが出来る」と述べられています。


少し詳しく、


・1つのCPAかプラセボを無作為に割り振り
対象薬物は:
・SERM:タモキシフェン、ラロキシフェン
・AI:エキセメスタン、アナストロゾール

・50,927人の女性が対象となった6件の研究をレビュー
・3件がタモキシフェンとプラセボの比較
・2件がAI(エキセメスタン、アナストロゾール)とプラセボの比較
・1件がタモキシフェンとラロキシフェンを比較

※これらの研究はバイアスのリスクは低いとのこと。


・タモキシフェンとプラセボを比較したらプラセボより発症リスクが低い。
(リスク比(RR)0.68)
※有害事象はタモキシフェンの方が重度リスクの可能性が高い。
(RR 1.28、95%)
タモキシフェンの投与により、
・子宮内膜がん(RR 2.26)
・血栓塞栓症(RR 2.10)
と、両方の発生率が高くなっていた。

AI(エキセメスタンまたはアナストロゾール)とプラセボでは、プラセボより乳がんのリスクが53%減少(RR 0.47)
しかし、AI投与で重度のリスクが18%増加。(RR 1.18)

ラロキシフェンとタモキシフェンはラロキシフェンの方がリスクが減少しないが、(RR 1.25)子宮内膜がんと血栓塞栓症の発生率も無視できないとのこと。(RR 0.87)

Mocellin S、Goodwin A、Pasquali S.原発性乳癌に対するリスク低減薬:ネットワークメタアナリシス。系統的レビューのコクランデータベース2019年第4号。番号:CD012191。DOI:10.1002 / 14651858.CD012191.pub2。

まとめ

予防薬として、乳癌自体はリスクを減少させることが出来る薬物もあるが、他の臓器への影響や血栓症などのリスクがあることから、リスクと相談して対象薬物を投与するのかを決めるべきであるようです。

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