KeiS a medical professional

This is a blog about the scientific basis of medicine. A judo therapist reads research papers for study and writes about them.

sponsorlink

子供の身体的虐待をするリスクのある親はポジティブな表情が少ない

Friday, April 16, 2021

心理学


 

子供を虐待するリスクのある親の表情

子供に対する親の体罰は、徐々に子供の身体的虐待(CPA)にエスカレートする可能性があります。攻撃的な行動の社会情報処理(SIP)モデルによると、歪んだ社会的認知メカニズムは、親が社会環境からの情報を検出、認識、操作する方法を変更することにより、不適応な子育て行動のリスクを高める可能性があります。

この研究では、CPAのリスクが低い母親と高い母親の違いを、ポジティブな表情をどれだけ早く検出するかについて特定することを目的としました。

研究は、

子供たちに対するスパンキングの使用に基づいて、52人の母親は、低(N  = 39)高CPAリスク群(N  = 13)に割り当てられました

単一ターゲットの顔の感情検索(face-in-the-crowd)タスクが使用され、これにより参加者は顔の配列を検索して、ターゲットの感情的な顔が非ターゲットの中立的な顔の群れに存在するかどうかを判断し、検索効率指数はターゲットが存在しない試行の検索時間からターゲットが存在する試行の検索時間を差し引くことによって計算されました。


結果として、

高CPAリスクのグループは、低CPAリスクのグループよりも、幸せではあるが悲しくない顔を検索する効率が大幅に低下しました。一方で自己申告による顔の感情的評価はグループ間で異ならなかった。

結論としては、システムによって検出される表情の違いとして、ポジティブな表情をする母親はCPAのリスクが低く、そうでない母親はCPAのリスクが高いということが示されています。これによって、社会的にもポジティブな対人関係が困難になることが予想されています。


Shimada, K., Kasaba, R., Yao, A. et al. Less efficient detection of positive facial expressions in parents at risk of engaging in child physical abuse. BMC Psychol 7, 56 (2019). https://doi.org/10.1186/s40359-019-0333-9


まとめ 

研究の結果としては、表情の違いにより子供を虐待する傾向にあるのかを検出し、ポジティブな表情が多い人はその傾向が低いということが示されたものとなりました。

この研究には、参加者数の少なさ、写真でも同様の結果が出るのか不明といった制限事項はありますが、表情の違いによりこれらの検出が出来るといったことは役に立ちそうな内容と思います。

一般的にも、笑顔の多い人や表情の変化が多い人とはコミュニケーションをとっていても不快感を感じることは少ないですが、無表情な人や生気のない表情の人はコミュニケーションが取りづらく感じることから、体系的にも感じ取れる研究結果と思われます。


私自身の経験としては、子育てをしていて悩むことが多くありましたが、子供ではなく自分自身に原因があると気づけることがあり、自分も表情を変えることが苦手だったので笑顔の練習をしていたら、自然と子供にイライラすることも無くなりましたので、この研究結果には納得しています。

QooQ