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When twice is better than once【単純接触効果の心理学と実践】

Tuesday, March 2, 2021

心理学



今回は単純接触効果の心理学について

人の心理から、何かしらの刺激を繰り返すことにより、その刺激を好意的に感じることが各研究結果から証明されています。

単純接触効果とも言われるもので、1度だけ受けた刺激より、間隔を空けて数回繰り返される刺激に対して肯定的な感情を抱くことです。

思い返して頂いたら、様々な場面でこういった刺激を受けることはあり、ギャンブルやSNSといった社会的問題とも言えることの原因の1つともされます。

1度大当たりし、その後も大当たりすることを望んで繰り返すってやつです。

この刺激は老化しても同じような変化が得られるのか?ということを検証している研究がありましたので紹介します。


研究①

実験1では、特定の単語を繰り返すことにより、高齢者に単純接触効果が見られるかどうかを調査したものです。

一連の単語に対し、9段階で好みを評価し、その後評価したものです。

参加者は繰り返される単語と一度だけ提示された単語と比較して、間隔を空けて繰り返された単語を評価することがわかりました。

気に入らない言葉で同様のことが言えるのか?という点については、好みの単語よりも記憶の定着が低いことがわかり、間隔を空け繰り返される好みの言葉が特に記憶に定着しやすいことを示唆しています。


研究②

実験②は、①と異なる点として27人の若い成人と27人の高齢者が研究に参加し、いずれの人も実験1に参加していません。
若い成人はキエーティ大学の学部生で、高齢者の人はイタリア中部の地域住民となります。

実験①と同じ手法で実験されましたが、好みの言語を使用せずに人の顔を用いて実験しましたが結果としても同様のことが見られました。


単純接触効果

実験①と②で、好みの言語や顔に対しては、間隔を空け繰り返された方が記憶に定着し、肯定的な感情になることがわかりました。

言語と顔では、顔の方がより反応が良かったようです。

年齢による違いでは、高齢者の方が言語に対し刺激を受けやすく、どちらの刺激にしても反応が良かったのも高齢者であることがわかりました。

よって、高齢者の方が単純接触効果による肯定的な感情を抱きやすいことが示唆されていました。

会って話こともないタレントに好意的な感情を抱き、実際に会った時に好感触を抱きやすいとはこのことかもしれませんね。


まとめ

他人に良い印象を持たれたい、という願望を叶えるための1つの手法でもある単純接触効果についてですが、年齢が異なればより感情が揺さぶられ、人の持つ好みによって左右されるかもしれないことがわかった研究結果となっています。

ドコゾのセミナーとは違って、何度も繰り返し会えばあなたは必ず好感を持たれる!と無責任なことは言いませんが、好まれるのかどうかは、相手の嗜好に依存することがあるのかもしれません。

相手に合わせすぎていたら、自分とは?みたいな感情になるのかもしれないので、多くの人に好かれたい!という願望よりも、誰かが好きになってくれればそれでいいぐらいな方がちょうど良いのかもしれません。


Palumbo R, Di Domenico A, Fairfield B, Mammarella N. When twice is better than once: increased liking of repeated items influences memory in younger and older adults. BMC Psychol. 2021;9(1):25. Published 2021 Feb 6. doi:10.1186/s40359-021-00531-8

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