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What influences the selection of contextual cues when starting a new routine behaviour? 【新しいことの習慣化の心理学】

Wednesday, March 3, 2021

心理学




 今回は習慣化の心理学について

毎年、年初めに新しいことを始めよう!と決意しやってみては続かなくて挫折している人は多くいると思われます。

習慣化について、皆が悩むところであり、関心ごとの1つである健康問題についても○○の飲み方やタイミングなど細かく知りたがる人は少なくはありません。

私も医療従事者となる前は、健康アドバイザーのような仕事をしていましたが、健康食品の詳細を知りたがる人は一定数いました。

それらを知ったところで習慣化になるのかどうかはわかりませんが、習慣化に関して研究しているものからヒントが得られます。

内容としては、医療従事者らが習慣を改めることにより、新しい良い習慣を指導する際に使えそうなものです。


研究の内容

研究者らは人々が選択する手がかり、方法、そして何が彼らの決定に影響を与えるかを調査するために定性的研究を行いました。

39人の参加者を対象とし、3週間毎日ビタミンC錠を服用するように依頼し、その後、彼らにインタビューしました。
定量的な習慣の強さと記憶の測定は、説明の目的で行われました。


実行の選択は、主に、関連するオブジェクトを手元に置いたり、目に見える場所に置いたりするなど、労力を最小限に抑えたいという願望に影響されていることがわかりました。

さらに、記憶戦略には単一の手がかりへの依存と、手がかりを指定しない大まかに定義された計画が含まれることがわかりました。

さらに、多くの参加者にとって、最適な手がかりを特定するには試行錯誤が必要となりました。

理由として、人々は自分に最適なアプローチを事前に予測することがほとんどできなかったからと考えられています。


結論として、常的な行動に依存する行動変容を起こす介入には、どのアプローチが最適ではないか、何が最も効果的であるか、に関する教育情報の提供が実り多いものになる可能性があります。

また、特定の行動を最もよく覚える方法について、人の既存の信念を評価する必要があります。
そのような信念は、選択した手がかりを強化または阻害する可能性があるためです。

最後に、介入は、初期の記憶の失敗が信頼できる記憶戦略を開発するプロセスの一部であり、期待されるという事実を説明する必要があります。

考察

研究ではビタミン錠剤を飲んでいない人に、介入期間中飲用し続けるようなことを行ったものになり、結果として人の日常的な行動に関連するシーンで飲用されていることがわかりました。


このことから、その人の日常生活を変容するために、突拍子もない介入方法を提案することは、どんなに良いことであろうが無理である可能性が高いということになります。


昨今の筋トレブームから、筋トレの習慣がない人に、"簡単で"、"コストゼロで"行える方法を提示したとしても、その人の日常動作に合っていないトレーニング方法を提案するだけ無駄なものであることを経験したことがあります。

そうならないためには、その人の習慣をある程度把握し、その中から出来る行動を提案し始めることから行う必要があるということ。


この研究でいえば、錠剤を飲む習慣がない人は、コーヒーを飲んだ後に必ず飲む、朝食前に必ず飲む、就寝前の歯磨きの後に飲む、といった既存の行動に併せて行える飲み方をしていることがわかりました。

人はそれほど、自分の行動を変容するようなエネルギーを使いたくない、という考えがあるようなので、習慣化が上手くいかないことが怠け者であるということでもないようです。


医療従事者らがやるならば、家でやらないなら医療機関に訪れた際にやる習慣化を作るとかのような強引に介入を行うパターンを作るか、相手の日常動作から出来そうな行動変容を考えるかをやる必要があります。


自分がやった例としては、毎日○○時にバレエのバーレッスン、○○時にストレッチを1時間と設定し実践できています。

これは、この時間が隙間時間で、スマホを弄っていただけなので行動を変えるのが楽でした。

これが起床時間を前倒ししてやる、となると続いていなかったと思います。


まとめ

人が行動を変容しない理由として、

・その人の既存の行動に併せた方法、好ましい方法を取るようになっている
・実践することは、実験となるが人はそんなに実験が好きではない

ということが考えられます。

もし、他人の行動変容を促したい人は、こういったことを理解しないと、ただ課題を出していやいやにやらせている学校の宿題と同じような現象になります。

そうならないために、どうやったら実践できるのか?実践していてどうなのか?をカウンセリングする必要があるようです。


Stawarz K, Gardner B, Cox A, Blandford A. What influences the selection of contextual cues when starting a new routine behaviour? An exploratory study. BMC Psychol. 2020;8(1):29. Published 2020 Mar 30. doi:10.1186/s40359-020-0394-9

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