今回は片頭痛と頚部の可動域について
片頭痛を持っている人の頚部の可動域が狭くなることは、臨床経験がない人でも知っていることになりますが、実際にどれぐらい可動域が減少するのか?
それらの1つ参考にできる研究論文がありましたので、紹介します。
研究の内容
慢性片頭痛、一時的な片頭痛、頭痛のない人を含めた女性を対象とした研究です。
屈曲回転テストとグローバルアクティブ頸部可動性を比較したもので、首の痛みに関連する障害が屈曲回転試験に及ぼす影響も分析したものとなります。
・慢性片頭痛
右:-21°~-11°
左:-20°~-12°
・一時的な片頭痛
右:-13°~-4°
左:-12°~-5°
片頭痛を持つグループは、頭痛のない女性よりも両側で低い屈曲回転テストの可動性を示しました。
・慢性片頭痛
屈曲時:-15°~-1°
伸展時:-13°
右側面屈曲:-9°~-0.2°
左側面屈曲:-10°~-2°
右回転:-15°~-4°
左回転:-13°
頭痛のない女性と比較して、全体的な頸部可動域の低下を示していました。
屈曲回転テストが陽性になる際に、片頭痛の発生が2.85倍の増加することと関連していました。
よって、片頭痛のある女性は頸部上部の可動域が低くなります。
慢性片頭痛のある女性は、全体的な頸部可動域の減少を示しました。
片頭痛は、屈曲回転テストが陽性になる可能性の増加と関連しており、可動性の低下は片頭痛の頻度と障害に関連する首の痛みの影響を受けました。
まとめ
頚部の可動域が低下している状態の具体的な数値面が参考になる研究でした。
臨床ではしっかりと見極めねばなりませんが、こういった可動域の参考数値があると非常に役に立ちます。
検査時の立ち位置を間違っている人が見られるときもありますが、注意して実践してみましょう。
Oliveira-Souza AIS, Florencio LL, Carvalho GF, Fernández-De-Las-Peñas C, Dach F, Bevilaqua-Grossi D. Reduced flexion rotation test in women with chronic and episodic migraine. Braz J Phys Ther. 2019;23(5):387-394. doi:10.1016/j.bjpt.2019.01.001