KeiS a medical professional

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医療従事者KeiSが考える整骨院業界の今後について

Sunday, March 28, 2021

質問返し

今回は整骨院業界の今後について

この記事はイチ医療従事者として感じていることを書いていますので、ビッグデータなどを用いて考察しているわけではありません。


2018~2020年


接骨院や鍼灸院、マッサージ院等で行われる施術は、いずれも国家資格者である施術者が行う医療類似行為(サービス)として位置づけられており、整形外科での医療行為や整体・カイロプラクテイックなど民間資格を持つ施術者による療法とは異なる。
国内の柔道整復・鍼灸・マッサージ市場は、柔道整復市場における保険治療(療養費)の減少により、2015年以降縮小傾向にあり、2018年の柔道整復・鍼灸・マッサージ市場(事業者売上高ベース)は前年比98.2%の9,440億円と推計した。

株式会社 矢野経済研究所より引用


この会社での調べによると、2018年時点で前年比が98.2%になっていたということなので、2021年現在で急激に改善されているとは考えづらい状況であることが察せますね。


理由として

・患者数減少

・開業院数増加

・資格取得者増加

といった有名なものが挙げられています。


この会社では、コロナ禍も踏まえて既存の手法で行っている会社は、方向転換を考えていかないと立ち行かなくなってくるのでは?というように言われていました。


私もこの考えには同意しますし、この業界のやっていることには発展性がないと思っています。


これからはやってみて感じたことです。


発展性を感じない理由


①収益が患者数に依存

医療類似サービスを行っているので、収益を出すには患者数に依存するのは当然なのですが、サービスを提供するわけなので「時間」が拘束されることになります。

1人に時間が拘束されるため、1時間あたりの売上を増やそうとすれば人員の増員とサービスのオートメーションが求められるようになってきます。

この2点においては、人員が増えると固定費が増えるので現実的なものではなくなってきていますよね。

そして、オートメーションに関しては、サービスの性質上「格安でマッサージしてもらう」ことを望んでいる人からすると好まれないサービスとなります。

よって、この業界が売り上げを上げようとすれば、顧客単価を上げるしかない、という選択肢に発展性がないと思いました。


②過去の慣習による影響

私が感じていた過去の慣習として、

・スポーツ現場で活動しようとするとボランティアになる
・料金を"割引"することでしか客寄せ出来ない

といったことがあります。

スポーツ現場に関しての話ですが、多くの柔道整復師らが"スポーツ業界"に関わることを望んでいる場合がありました。

スポーツ業界は広く、プロスポーツから学校の部活動まで幅広く含まれています。

プロに関しては契約という形をとるようなので、契約内容に依存するためこの話には当てはまりませんが、学校の部活動については”ボランティア”になることが多くあります。

学校側の事情も知っているので、大金を払わせようとすることに無理はあることは承知していますが、この現場では大きなやりがい搾取が起きてしまっています。

臨床を経験するため、地域の子供たちの健康増進のため、宣伝にもなるかもしれないからと言って休日出勤や時間外活動として、無理して現場に行っている人も少なくはありません。


実際には、派遣される院の人を頼りに客寄せとして成立していることも聞きますが、費用対効果として最終的に合わないものとなってきます。


この事情に踏まえ、紹介料金や初回料金などの割引をすることで、ただでさえ安い客単価が下がってしまうことがあります。(大体、客単価は\1,×00~いかないぐらいです。)


こういった行動が行われてきたことによって、新しく参入しようとしても障壁があるため断念することも少なくはありません。



こういった理由に関しては、努力が足りないから、やり方の問題だ、というように思われるかもしれませんが、個人の力や少数精鋭ではどうにもならないこともあります。


今後の展望

上述のように絶望している状況の中、今後資格者らが生き残るとすれば「別の業界との組み合わせ」になってくるのではないかと思っています。

過去に、保険料に頼った経営をしていた整骨院業界は衰退し、グループ化と既存にないサービスメニューを提供するようになった会社が広まっているような事例があります。


既存にないサービスとして、
・○○矯正
・美容関連
・エクササイズ
というものを提供してきていましたが、これも飽和状態になっています。

また新しいサービスが出てくるのでしょうが、何が出てくるのやら・・・と思ってはいます。

次に生き残っている会社がやっていることとして、塾関連の部門があります。

これは、今から整骨院を開業したい人などを対象にしたものが多く、ここまで発展したノウハウを伝授します!的なキャッチコピーでやっているやつです。

これもエグイ金額が取られたりしていますが、今後も大きく衰退はしないと思われる事業の1つだと。

理由として考えたのは、柔道整復師を目指す人が消えない限りは無くならないからです。


私個人としては、これとは違った方向を模索していますが上手くいっていないのが現状。

因みにこのブログもその1部として運営しています。



まとめ

自分なりの整骨院業界の今後を考えてはみましたが、既存にないサービスと組み合わせてやっている院が生き残るのか、グループ院が生き残っていく構図が広がっていくと思われます。

恐らくですが、個人院は限りなく減っていき、生き残っても大手に食い殺される感じではないでしょうか?

しかし、大手にも問題があるのは、サービスの性質上で客は人に付いてしまうことがあります。

私の住んでいる地域にも、今までなかったグループ会社が進出してきていますので、大手だけが生き残るのかと。

開業志向が無い人は、大手に勤め大きな変革を求めなければ、後数年は食っていけるのかもしれません。

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